深田恭子、有村架純、波瑠のドラマは低調…視聴者のテレビ離れが進む深刻な問題とは?

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石原さとみと「薬剤師」

 スポンサーがドラマの中身に影響を与えたという指摘があったのが、フジの夏ドラマ「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋」である。主演の石原さとみ(33)が病院薬剤師に扮した。薬剤師が主人公のドラマは初めてだった。

 この薬剤師がスーパーウーマン。すこぶる格好良く描かれていた。だが、医療関係者を名乗る人たちからSNSなどで異論が噴出した。

「なぜ、薬剤師が心臓マッサージをしなくてはならないのか」「医師、看護師に薬剤師が指示を出すはずがない」。筆者の友人の薬剤師も「あり得ない世界」と斬り捨てた。

 このドラマのスポンサーには「日本調剤」、「クオール薬局グループ」「アイングループ(医薬流通サービス)」「武田テバ(主にジェネリック薬品を扱うメーカー)」が入っていた。その影響を受けたのではないかという指摘があった。

 なるほど、どの企業も薬剤師がお得意様である。薬剤師を格好悪く描くわけにはいかないだろう。ただし、このようなことが行きすぎたら、ドラマ全体がPRになってしまいかねない。

「ドラマは制作費が高い分、スポンサーに支えてもらわないと成り立たない。全然儲からないが、やめたり、減らしたりするわけにはいかない。局のイメージを高めてくれるのはドラマだから」(同・民放幹部)

 とはいえ、このままではスポンサーの姿が見え隠れするドラマばかりになってしまいかねない。

「半沢直樹」のようにスポンサーに忖度しないキャスティング、ストーリーを視聴者は求めているはずだ。

鈴木文彦

週刊新潮WEB取材班編集

2020年12月1日掲載

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