「写真集」発売 髄膜腫を患い、手術を受けた「関ジャニ∞・安田章大」の「悟り方」

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とても“人間力のある人”

 そもそも、日本において、男性が歌って踊る、男性アイドルグループを初めて作り出したのはジャニー喜多川である。

 だが、スタートは純粋な想いであっても、そこに半世紀以上の時が流れ、様々な人の思惑が乗り、商業化されていくことにより「アイドルとはかくあるべき」という固定観念のようなものが乗っかってしまった。

 それが、彼らを生きづらくさせてきた部分もあったのかもしれない。

 安田の写真集に記された「社会のコマになって理解が追いつかないままお金を稼がされている『I$』」というウィットにもとんだ表現は、苦しさを経て出てきた魂ののった言葉に感じる(*12)。

 安田章大はこう語っている。

「『人間力のあるただの人=アイドル』っていうのもあっていいんじゃないのか」(*1)

 ジャニーズ事務所という場所を去ることで、アイドルではなくなったり、新たなアイドル像を模索することはできる。

 だが、ジャニー喜多川という自分の生みの親を敬愛し、ジャニーズを抜けるという選択肢を取らず、ジャニーズの中にいながらアイドルという概念を更新する2人は、とても “人間力のある人”に映るのである。

(*1)TBS『サワコの朝』2020年10月3日放送
(*2)『anan』2020年9月23日号
(*3)『日経エンタテインメント!』2020年12月号
(*4)『anan』2019年5月15日号
(*5)『音楽と人』2019年4月号
(*6)『音楽と人』2019年6月号
(*7)『KinKi Kidsどんなもんヤ!』(文化放送)10月5日深夜放送
(*8)『CUT』2019年1月号
(*9)『音楽と人』2011年10月号
(*10)『ぴあ』2011年7月7日号
(*11)『音楽と人』2014年3月号
(*12)『LIFE IS』マガジンハウス

霜田明寛
1985年東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業。9歳でSMAPに憧れ、18歳でジャニーズJr.オーディションを受けた「元祖ジャニヲタ男子」。就活・キャリア関連の著書を執筆後、4作目の著書となった『ジャニーズは努力が9割』(新潮新書)は4刷を突破。 また『永遠のオトナ童貞のための文化系WEBマガジン・チェリー』の編集長として、映画監督・俳優などにインタビューを行い、エンターテインメントを紹介。SBSラジオ『IPPO』凖レギュラー。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年11月30日掲載

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