市庁舎に自分用「サウナ」を設置した池田市長 今度は市議に1000万円の損害賠償請求

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突然の内容証明

 市長が市議に論戦を挑むのではなく、名誉毀損の損害賠償金として1000万円を要求した──この事実を大阪府の池田市民、いや、全国の有権者はどのように受け止めるだろうか。

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 デイリー新潮は10月22日、「市役所に勝手に住み着いた大阪『池田市長』 家庭用サウナも持ち込んだ証拠動画」との記事を配信した。

 冨田裕樹市長(44)が池田市役所の一角に、ベッドや冷蔵庫、電子レンジといった私物を置いた動画と、家庭用サウナを設置した写真を紹介。市役所の関係者が、この“公私混同”を倫理的にも法的にも問題だとする指摘を報じた。

 10月26日に発売された「週刊ポスト」(11月6・13日号)も「維新・大阪府池田市長が『市役所でホームレス生活』仰天騒動」の記事を掲載した。

 冨田市長はデイリー新潮に対して《市庁舎で生活はしておりません》、ポストに対して《住んではないです》などと否定した。

 一方、デイリー新潮の記事が配信された翌日の10月23日、冨田市長は市役所で記者会見を開いた。

 朝日新聞が10月24日、大阪版の朝刊に掲載した「池田市長、市役所に私用サウナ 謝罪『リハビリに使った』」から引用させていただく。

《大阪府池田市の冨田裕樹市長(44)は23日、市役所に簡易サウナを一時設置していたことを明らかにした。ニュースサイト「デイリー新潮」の報道を受けて市役所で記者会見を開いた。冨田市長は「公私混同と誤解を招くことになり、猛省している」と謝罪。「腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニアなどのリハビリのために利用していた」と述べた。使用した電気代は算出して返還するという》(文末の註1を参照)

1000万円を「請求」

「猛省」という言葉を使った冨田市長は、法的措置に踏み切った。まず新潮社に対し、デイリー新潮の記事を削除するよう求める仮処分命令を大阪地裁に申し立てた。新潮社は削除に応じるつもりはなく、地裁で反論を行う予定だ。

 更に、池田市議会における無所属会派「青風会議員団」と、その幹事長宛てに内容証明郵便を送付し、「損害賠償金として1000万円」と、「謝罪広告の掲載」を求めた。冨田市長の代理人弁護士が送付した「ご通知」から、一部をご紹介しよう。

《現在、冨田は、上記週刊ポストを発行する株式会社小学館に対して、大阪地方裁判所にて名誉毀損等を理由とする損賠賞請求訴訟を提起する予定であります》

《貴殿が文責として行われた本件行為も、本件記事と同様、冨田に対する、事実に基づかない著しい誹謗中傷であるとともに、名誉と信用を著しく毀損するものです》

《これにより冨田が被った被害は、上記株式会社小学館のそれと同様、少なくとも金1000万円を下りません》

《よって、冨田は、貴殿に対し、速やかに(略)謝罪文の掲載を行うこと及び本書到達後1週間以内に上記金1000万円を下記指定口座に支払われるよう、本書をもって請求いたします》

《仮にこれに応じて頂けない場合、上記株式会社小学館に対する訴訟に併合してこれを進めるべく、法的措置を検討していることも、併せお伝え致します》

 最後に引用した一文の下には、三井住友銀行、茨木西支店、普通口座……と、弁護士の銀行口座が振込先として記載されている。

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