まるで第二の黒柳徹子!? 対談番組でローラが暴いたフワちゃんの弱点

エンタメ 芸能 2020年11月27日掲載

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 大物かどうかは本人が決めるのではなく、周囲が決める。ひとつの見分け方として、本人が業界のお約束やルールを破っても周囲が許すかというのはあるだろう。お愛想では決して笑わない、芸人殺しの異名を取る黒柳徹子さん。紋切型の質問でなく、「髪切った?」と意表をつく進行を始めるタモリさん。最近では、タブーとされていたジャニーズに忖度するメディアに切り込んだ松本人志さんもそうだろう。

 そして、ローラさんもそこに加わった感がある。前出の松ちゃんと中居正広さんによる「まつもtoなかい~マッチングな夜~」で、フワちゃんと初めて対面するも彼女をバッサリ。

 久々にテレビに出たものの、かつてのおバカタレントの影はない。彼女のファンだと熱弁するフワちゃんに「良かった」「あーうれしいな」と顔色ひとつ変えず平坦にコメントし、必死のボケにも「うん、それで?」と流す。果敢にプロレスを仕掛け続けるも、組みつくこともできないフワちゃんは空回りに終わった。

 昔のローラさんの立ち位置は、バラエティタレントだった。もっと言えばおバカタレントのひとりだった。しかし彼女は、もうバラエティのお約束には乗らないことを身をもって示したようだ。事務所を退所し海外を拠点としてからは、ヘルシーなライフスタイルや環境問題を発信。海外のセレブタレントに近いポジションを獲得したように見える。思えばフワちゃんに対する態度も、日本のワイドショーに無理やり出演させられた外国人スターのようだった。好きな日本食だの好きな日本語だのを言わされ、戸惑いをぎこちない笑顔で包むあの感じ。ローラさんは何度も、「(フワちゃんとは)何かが合わない気がするの」と頭の上を手でかきまわすような仕草をしていた。かみ合わなさやズレによって自身も人気を得たものの、そんな過去はもう記憶の果てに行ってしまったのだろう。

まるで第二の黒柳徹子!? 久々の番組出演でローラが示したフワちゃんの「面白くなさ」

 海外かぶれの芸人殺し。ローラさんをそう批判する人もいることだろう。まるで第二の黒柳徹子のつもり?と。でもそもそもローラさんは、対談と聞いてまさに「徹子の部屋」的な進行を期待していたのではないか。フワちゃんに対する戸惑いは、対談相手なのに彼女の本質が見えなかったことに尽きる気がする。バラエティのお約束に乗っかろうとするフワちゃんの言動は上滑りして、本当はどんな人なのかクリアに見えてこないということだ。それは本当の対談番組であれば正しい指摘であり、それこそ「徹子の部屋」とか「サワコの朝」なら、フワちゃんを理解できる瞬間があったのではないだろうか。

 けれども今回は対談の形式をとったバラエティであり、虚構のプロレスを盛り上げるのが目的だった。暴れるフワちゃんに乗っかればいいだけだったのに、プロレスすら成立しなかった。そして不幸にも、フワちゃんの本質は望まぬ形で視聴者に暴かれてしまったのだ。

 それは彼女の「普通さ」である。ただのおバカで暴れん坊のタメ口タレントではなく、思わず忖度してしまう普通の感覚を持っていること。松ちゃんと中居さんというバラエティの大御所に囲まれて、お約束を果たそうと奮闘するフワちゃんは、普通の芸人そのものであった。そして思ったように笑いを引き出せない、普通の人でもあった。芸人にとって「うるさい」姿はキャラのひとつでも、「面白くない」姿は明らかに見せたくなかったに違いない。

 おバカタレントは必ず、「本当は賢い人」という噂がどこかから出てくる。それはフワちゃんも、かつてのローラさんにもあった。本来はプラスに働く言葉だろうが、賢い人が結果を残せるかというとまた違う。フワちゃんは実は賢いけれど、笑いの腕はまだまだであることもわかってしまった今回の番組。それは本当のフワちゃんを見せてほしいというローラさんの純粋な優しさが生んだ、残酷な結果だったように思えてならない。

 そのフワちゃん、「徹子の部屋」に出た時はキャラ全開で暴れさせてもらっていた。黒柳さんに髪飾りをつけたり、スカートをまくってお尻を突き出したり。ただ黒柳さんが一度だけムッとした顔で固まったのは、「うちら似てるから」とフワちゃんが言い出した時である。その空気を察して、「トットちゃんもあんまり敬語使わないし」とあわてて言い直していたが、そもそも大物は、誰かと一緒であることに安心感を持たない。共通点を挙げれば仲良くなれると考えるフワちゃんの「普通さ」は、すでにあらわになっていたのかもしれない。

 最後の最後まで、ローラさんとも共通の話題で盛り上がることはできなかったフワちゃん。ここは普通のタレント同様、「あの頃はムリしてた」とキャラ変にとりかかるいい機会かもしれない。ローラさんもそう言っていた時期もあった。その時こそ二人のトークは、本当に盛り上がるのではないだろうか。

冨士海ネコ