「文大統領」の「厳正に捜査せよ」は嘘…その嘘を信じた「韓国の検事総長」の受難

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自分の権力に対抗したら黙っておかない

 いわゆる「傀儡総長」を作ったまでは良かったが、皮肉にも秋長官が尹総長を非難するたびに彼の次期大統領候補としての支持率が上がっており、最近、ある世論調査では支持率1位を記録している。

 もちろん尹錫悦総長をめぐる現在の韓国政界の状況は、日本には特に大きな影響はないかも知れない。

 しかし、口では正義を叫びながら、実際は自分の権力に対抗したら黙っておかない文在寅政府の性格が、問わず語りに語られていると言えるだろう。

 表向きは民主主義の仮面をかぶりながら、内心は北朝鮮のような独裁国家でしか起こりえない凄まじい統治を行い、それがむしろ相手側の支持率を引き上げることにつながっているというわけだ。

 文在寅大統領は、米国大統領選挙で「反北朝鮮・親日」性向のバイデン候補が当選確実となると、今後の半島情勢を心配したのか、日本政府に対話の手を伸ばし始めた。

 しかし、菅義偉首相はまともに取り合わない。

 相手国の立場は少しも考えず、前政権が構築した友好関係を粉々に壊しながら、今になって対話を望むなど厚かましいことこの上ない。

 自分が任命した検事総長を、自分の嘘を信じたという理由でひどい目に遭わせた大統領と、どの国の代表が対話をしたいと思うだろうか。

 菅首相が文在寅大統領をスルーして尹錫悦総長と会い、笑いながら対話をする方が今後の日韓関係の発展にプラスに作用することだろう。

韓永(ハン・ヨン)
検察担当記者などを経て現在フリー

週刊新潮WEB取材班編集

2020年11月27日掲載

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