内村航平の“偽陽性”問題 五輪本番で起きたらどうなる?

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〈内村航平 コロナ陽性〉の一報が世間を騒がせた。

 だが後に、それは“偽陽性”だったと発表された。一説に1%の頻度で起きるという。隔離されていた内村は練習に復帰した。

「本番までまだ間があったから、影響は最小限で済みましたが、もし試合前日だったら目も当てられない」

 と大手紙デスクが語る。

「陽性判定が出たら、本人のみならず濃厚接触者も隔離対象となり、練習や試合ができません。むろん試合後に“偽陽性でした”と言われても、終わった試合はやり直しがききません」

 これが、人生を左右する五輪の場で起きたら、いったい誰が責任を取るのか。

「体操はまだましで、レスリングや柔道など減量がある競技は大変。体重調整は試合のはるか前から始めますが、途中、偽陽性なんかでペースが乱れたら、すべて水泡に帰すことも」(同)

 減量といえばボクシングだが、そのボクシングでもコロナショックが起きた。

 今月3日に大阪で行われる予定だった、WBA世界ライトフライ級スーパー王者・京口紘人(26)のタイ人挑戦者との防衛戦のことだ。

「周知の通り、現在、外国人の日本入国は厳しく制限されています」

 とスポーツライター。

「そこで今回は、プロとアマの団体が協力して政府に働きかけ、“五輪の試金石”として特別にビザを支給してもらった。主催者は、挑戦者が陽性になった場合に備え、“予備の挑戦者”まで用意していました」

 そして、試合前日のPCR検査。陽性者が出た。だがそれは想定していたタイ人挑戦者ではなかった。王者・京口の方だった。

「王者に代役はいないので、試合は延期に。挑戦者が帰国するとビザ再取得がまた大変なのでしばし日本に滞在してもらう。ただ、ビザ期限は年内。それまでに試合ができるかどうか」

 まあ延期できるだけ御の字だ。五輪ならそれもできない。陽性だろうが偽陽性だろうが、その選手は、人生最大の無念を抱えて日本を後にするのみである。

週刊新潮 2020年11月12日号掲載

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