「文在寅」と「北」の蜜月が「米」との関係悪化を生む 「バイデンは靖国参拝に失望」と煽るが

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韓国政府・メディアの根強い「靖国参拝」アレルギー

 韓国政府とメディアは、バイデン氏の無意味な「失望」発言を蒸し返すほどに靖国神社参拝が気に障る模様だ。

「反日」の恩恵を受けている文在寅大統領は、これを利用しない手はないのだろう。

 一自民党政治家に戻った安倍前首相は、依然として韓国で注目されており、退任後の靖国神社参拝について韓国メディアは痛烈に非難している。

 その一方、先月17日、菅義偉首相が靖国神社に真榊を寄進したことに対し、韓国外交部は「日本の過去の侵略戦争を美化して戦争犯罪者を合祀した靖国神社に日本政府と国会議員らが、再び真榊を奉納したことは遺憾だ」と発表した。

 さらには、李洛淵(イ・ナギョン)共に民主党代表は日韓議員連盟幹事長の河村建夫元官房長官と非公開会談を行い、菅首相の真榊の奉納について抗議したという。

 ところが、靖国神社参拝が韓国政府の指摘通り、「侵略戦争の美化」や「戦争犯罪者の合祀」の問題につながるのであれば、安倍前首相や真榊だけを奉納した菅首相ではなく、強く抗議しなければならない人物が他にいるはずだ。

 他ならぬ金正恩だ。

朝鮮戦争で敵となった中国を持ち上げた金正恩に何も言えない文大統領

 10月22日、金正恩は中国の朝鮮戦争参戦70周年を記念し、平安南道に位置する「中国人民志願軍墓地」を参拝。

 北朝鮮労働新聞は「中国人民志願軍の関係者に崇高な敬意を表した」と伝えている。

 1950年6月25日に勃発した朝鮮戦争で当初は劣勢だった韓国軍は、連合軍の参戦によって北進して平壌を占領。朝鮮半島統一への最終決戦を目前にしていた。

 しかし、10月から30万人以上の中国人民志願軍が参戦して大空襲が始まった結果、連合軍は再び南下し、現在の領土が分断された形で休戦することになった。

 中国軍は韓国軍や連合軍兵士を殺害した敵であり、現在も朝鮮半島統一を阻止している元凶だ。

 中国人民志願軍に対する「烈士」という美化を込めた呼称と墓地参拝こそ、日本の「侵略戦争の美化」と「戦争犯罪者の合祀」よりも非難されるべきではないのか。

 バイデン氏は、今年5月のメモリアル・デーに、朝鮮戦争参戦米軍勇士の記念碑に献花を行った。

 彼は大統領当確直後、「韓国戦争期間中に戦死した米兵は3万6574人だった」とし、「米国と韓国は血で結ばれた同盟だ」と述べ、これまで朝鮮戦争に参戦した米兵を記憶し、尊敬してきた。

 朝鮮戦争当時に米兵を殺害し、韓国の戦勝と朝鮮半島統一を阻害した中国人民志願軍墓地に参拝し、彼らに「烈士」というありえない呼称をつけた金正恩。

 韓国メディアも、そんな彼に「遺憾」のひと言も言えない文在寅大統領を心配した方がいいのではないか。バイデン氏の「失望」というひと言で日米関係が悪化することに注目するよりも。

週刊新潮WEB取材班

2020年11月10日掲載

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