「ダイヤモンド・プリンセス号」がツアー再開 出航できるかは未定

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 菅総理がベトナムを訪問し、往来の再開をフック首相と話し合ったのは去る10月19日のこと。なのに、大手旅行会社のサイトには早くも、

〈12月16日出発 29日間〉

〈横浜港発着 年末年始 東南アジア大航海〉

 とある。値段は46万5千円~340万2千円で、行き先は中国、ベトナム、シンガポール、マレーシアなど。しかも、船はあのダイヤモンド・プリンセス号だ。

 振り返れば、同船が延べ712人のコロナ感染者を出したのは今年3月。その後、追われるように横浜を去り、フィリピンのマニラ湾に浮かんでいると報じられたが、いつの間にクルーズの再開を決めていたのだろう。そもそも乗っても大丈夫なのか。クルーズの窓口になっている旅行会社の営業マンが言う。

「ご存じのようにコロナが発生してから、ダイヤモンド・プリンセス号のツアーは、すべてキャンセルになりました。その後、客室やデッキなど、あらゆる場所の消毒を行い、感染対策をとったうえで改めて12月16日からのツアー再開を発表させてもらったわけです」

 ある意味、世界中から注目を浴びた船だけに、当時、消毒のアルバイトには日当5万円が支払われたと言われている。新ツアーでは、客室の間隔を空けて宿泊。また、乗船の1週間前にPCR検査を受け、乗船直前にも入念な体温・体調のチェックを行う。これで完璧かどうかはさておき、

「あれだけの感染者を出してしまったのですから、二度と失敗できないという覚悟で募集しています」

 と営業マン氏は自信をのぞかせる。

 が、渡航予定としている国は、原則的に観光目的の訪問を認めていないはず。

「現状では、おっしゃる通りです。しかし、クルーズを再開してほしいという問い合わせは多く、相手国の渡航制限が解除になったらすぐに出航できるように準備をしておかなくてはいけません。そこで、とりあえず予約を受け、渡航先の受け入れ状態を見て、出航するかどうか決めさせて頂いております」(同)

 つまり、予約できても「行けなかったらゴメンなさい」という条件付きである。12月のクルーズも、現状ではキャンセルの可能性が高い。

 で、肝心のダイヤモンド・プリンセス号はというと、マレーシア沖に停泊して、いつ来るか分からない出番を待っている。

週刊新潮 2020年11月5日号掲載