再ブレイクの鍵は共学力? チャラ男・藤森や出川哲朗らに見るお笑い界の構造変化

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 田中みな実さんと藤森慎吾さんは似たものカップルだったとつくづく思う。「あざとい」「チャラい」。どちらも異性に対して「やりすぎ」と嫌われていたが、今は気配り力と変換されて再ブレイク。美容へのこだわりや、役者としての活躍も共通している。二人とも周囲から、中でも異性からどう見られたいか、というのを常に考え続けるタイプなのだろう。

 藤森さんの株を急上昇させたのは、YouTubeでの女性に対する気配りの数々のようだ。新人女性マネージャーに「恩返し」と、豪快にスニーカーを5足プレゼント。気長に試着に付き合い、「可愛い」と褒めていた。また山本舞香さんとドライブした際は、お気に入りの新車に飲み物をこぼされても優しく対応。車より彼女の服が汚れていないか真っ先に気遣い、実に紳士的と喝采をあびた。

 藤森さんに限らず、再ブレイクを果たしたお笑い芸人には共通点がある。異性とのコミュニケーション力というのか、言うなれば「共学力」が強い。「世界の果てまでイッテQ!」での出川哲朗さんもそうだ。“抱かれたくない男”万年1位だったのに、今や出川ガールズを従えて大人気に。小学生男女のように、わちゃわちゃと楽しそうに体当たり企画に挑んでいる。思えば元祖・再ブレイク芸人の有吉弘行さんも、女性あしらいが上手い。みちょぱやこじはるといったキレイどころも、オアシズの大久保さんや友近さんといった女性芸人も対等に扱う。可愛くてもカン違いしている女性は甘やかさず、バッサリ切り捨てる。

 でもかつてのお笑い界は、めちゃくちゃ男子校的世界だった。だから「男子校力」の強いタイプが君臨し、人気を得てきたと言えるだろう。例えばダウンタウンにとんねるず。圧倒的な男性社会・タテ社会で、面白いやつ、稼いだやつが勝ち。女性を「ブス」と言い放ち、下ネタで騒ぎ、格下や年下の芸人はどついてナンボという世界だった。イケメンや女性に優しい芸人は一段下に見られ、おちょくられる対象。だから藤森さんも当初は、やっぱり馬鹿にされるタイプではなかったか。彼もそれをよくわかっていて、本人の自意識は二枚目なのに、チャラ男という極端なキャラを貫かないと評価されないあきらめや悔しさもあったに違いない。

 しかしお笑い界も変化の時を迎えている。浜ちゃんのどつきもどんどん減って、「男気ジャンケン」などの強圧的な企画が持ち味だったタカさんはYouTubeに足場を移した。ナインティナイン・岡村隆史さんは女性蔑視発言で炎上。明石家さんまさんでさえ、ブスいじりや独身いじりで批判される。その一方で台頭してきたのが、再ブレイク芸人たちであり、第7世代たちである。

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