BTSを「竹島の海外広報に」 文政権幹部が政治利用を示唆

国際 週刊新潮 2020年10月29日号掲載

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 かの国が世界に誇るミュージシャンといえば、全米トップへ躍り出た韓流スター・BTS(防弾少年団)だろう。ビルボード1位に輝き、その勢いは留まるところを知らないが、そこは反日が国是ともいえる国、彼らを政治利用しようとする“政権幹部”も現れて……。

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 BTSのデビューは2013年。ヒップホップやKポップを中心とする男性7人のグループで、新人時代から韓国の音楽賞を総ナメにしていた。

 ほどなくしてアメリカに進出すると、18年には全米ビルボードのアルバム部門で1位を獲得。さらに今年9月にシングル「Dynamite」で2週連続ビルボード1位を飾り、余勢を駆って所属事務所が株式上場するまでになった。

 韓国の音楽事情に詳しいライターは、

「従来の韓流は日本や中国で収益基盤を作った後に欧米へ打って出るのが定石でした。しかし、BTSはアメリカで人気に火が点いてアジアに広がった逆輸入型。今回の曲は1970年代のディスコ調で、アフリカ系アメリカ人のジェロが日本で紅白に出たように、エキゾチックな物珍しさもヒットの一因だったのでしょう」

 しかし、まもなくすると、この国特有の問題が彼らを襲う。兵役である。

 韓国では、18歳から28歳までの男性に約2年の兵役が課されている。メンバーで最年長のJINは12月で28歳。兵役に就けば、グループの活動に支障をきたすのは明らかなのだ。

「兵役特例法により功績あるスポーツ選手や芸術家は兵役免除が受けられます。しかし、芸能人にはその特例が適用されない。そこで9月には、与党の『共に民主党』の議員が法改正案を国会に提出しています」(同)

“無報酬で”

 さらに、と元東京新聞ソウル支局員で在韓ジャーナリストの金敬哲(キムキョンチョル)氏が言う。

「今月5日、共に民主党の盧雄来(ノウンレ)最高委員がBTSの兵役特例を真剣に議論すべきだと党内の会議で発言したのです」

 最高委員とは党代表の下に5人しかいない文字通りの大幹部である。世界的に活動するアーティストを支援する動きのように見えるが、実際には別の思惑がある、と金氏は続ける。

「盧最高委員は同じ会議の席で“独島(竹島)の海外広報のような形で一定期間、無報酬で従事させる方法もある”と発言しました。つまり、兵役の特例を認める代わりにBTSを露骨に政治利用しようというわけです。文在寅大統領も9月にBTSを青瓦台に招待。自身の支持率アップにつなげようとしています。こうした姿勢に、コアな韓国のファンは“政治に巻き込むな”と強く反発しているのです」

 過去にはファンにもらった原爆礼賛のTシャツを身に着け、最近は朝鮮戦争70年でコメントして中国のSNSで非難されたり、何かとお騒がせなBTS。今度は自国で政争の具とされているのだ。

 ノンフィクションライターの高月靖氏は、

「いま、文政権は支持率が伸び悩み、苦境に立たされています。法相の息子が兵役中の休暇を特別に取得したとする疑惑が追及され、さらにコロナによる失業率も上昇。若年層を中心に政権離れが進んでいます。そこへBTSを使って若者の支持を取り戻そうとしていますが、逆に非難を招き、裏目に出ているのです」

 世界的スターを反日の“弾”として使う文政権の「欺瞞」。さすがの韓国国民も気づき始めているようだ。

ワイド特集「風雲急の人々」より