新型iPhoneでも独占が崩れ 日本に依存する他ない「韓国」企業の落日

国際 韓国・北朝鮮 2020年10月28日掲載

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中国メーカーの台頭で経営悪化 韓国のディスプレイ・サプライヤー

 米アップル社製スマートフォンiPhoneの有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイはサムスンディスプレイが一手に引き受けてきた。しかし、新たに発売されたiPhone12は、1部のモデルでLGディスプレイと中国の京東方科技集団(BOEテクノロジーグループ)が採用され、サムスンディスプレイの独占が崩れはじめた。

 テレビやパソコンモニター、スマートフォンなどのディスプレイは、サムスンとLGが世界シェアを競っていたが、BOEなど中国勢がシェアを伸ばしており、シャープも好調の兆しを見せている。

 iPhoneのOLEDディスプレイは、サムスンディスプレイが独占的に供給してきた。

 アップル社が2017年にiPhoneXでOLEDディスプレイを導入したとき、アップルの品質基準を満たし、かつ十分な生産量を供給できるサプライヤーは、唯一サムスンだけだった。

 新型コロナの影響でスマートフォンの販売が伸び悩み、契約した発注数を達成できなかったアップル社は、サムスンディスプレイに多額の補償金を支払った。

 一方、コロナ禍以前からサプライヤーの多様化が進められ、iPhone11でLGディスプレイを試験的に採用。iPhone12は1モデルなどで本格採用し、iPhone12miniやiPhone12のパネル予備分としてBOEを採用した。

 中国メーカーの台頭で経営が悪化していたLGディスプレイはiPhoneに採用されたことで一時的に息を吹き返したが、韓国ディスプレイ業界は危機感を抱いている。

サムスンディスプレイとLGディスプレイは、核心材料を日本に依存

 華為(ファーウェイ)にスマートフォン用OLEDパネルを納入してきたBOEは、米国の華為に対する制裁で、他の供給先を探す必要に迫られ、アップルに売り込みをかけた。

 品質テストで不合格となった後、生産ラインを入れ替えて再挑戦し、基準をクリアしたという。

 19年第4四半期のスマートフォン用OLEDの世界シェアはサムスンが81・
2%、LGが10・8%で、BOEは1・6%にとどまった。

 しかし、BOE幹部が5年以内には40%以上のシェアを目指すと話しており、iPhone13以降、BOEの納入量が大幅に増えるなど、さらにシェアを伸ばす可能性は捨てきれない。

 サムスンディスプレイとLGディスプレイは、核心材料を日本に依存している。昨年8月、日本政府が韓国をいわゆるホワイト国から除外したとき、LGディスプレイは1兆ウォン相当が影響を受けると試算した。

 韓国政府は、ディスプレイ素材の国産化を支援する予算を計上、サムスンディスプレイとLGディスプレイは素材を国産化する速度を早めた。

 19年10月10日、サムスンが忠清南道のディスプレイ工場で中小企業と協力する覚書を締結すると、文在寅大統領が駆けつけて「特定国への依存度が高いディスプレイの核心素材・部品・装備の自立化に向けた重要な契機」と豪語した。

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