韓国の「日本製品不買」運動、現実は「自国民殺し」という皮肉

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“NO JAPAN”と文在寅を支持しつつ、日本絡みで財産を蓄積した政治家

 旅行博士のように韓国の“NO JAPAN”が自国民を困難に陥れた例は少なくない。

 韓国の格安航空社「イースター航空」もその代表格だ。

 同社は11年に仁川-札幌、仁川-成田の定期路線を就航させて以後、日本路線の売上が増大。昨年前半まで全路線の30%以上を日本行きが占めていたが、不買運動の影響で売上げが急減した。

 経営難が懸念される中のコロナウイルスで、航空業界が事実上オールストップすると、イースター航空は韓国政府から「復活が不可能な会社」と認定されて売却手続きに入ったが、売却に失敗し、615人の社員に対するリストラが断行された。

 その売却過程で、同社の創業者である李相稷(イ・サンジク)氏を取り巻く問題が浮上した。

 李相稷氏は2017年、文在寅大統領の信任を受けて大統領直属委員会の委嘱を受け、準政府機関の理事長として活動、今年4月には親文在寅政党である民主党から国会議員に選出された。

 しかし、彼は2002年の株価操作事件に関与した疑惑や、イースター航空の経営が悪化する中、社員の給与を未払いとする一方で、自分の子どもたちにはイースター航空を利用した財産蓄積のペーパーカンパニーを設立して会社の資金を横領。

 また、税逃れや会社の株式約80億ウォン(約7億3793万円)を借名で保有している疑惑などが告発され、検察の捜査を受けている。李氏はすでに公職選挙法違反の容疑で起訴されており、裁判を受ける予定である。

 李相稷氏は文大統領を積極的に支持し、愛国心を全面に出して“NO JAPAN”に没頭する一方、訪日旅行で財産を蓄積した。

 要するに、犯罪容疑者となった政治家がイースター航空を空中分解の危機に陥れたといえるだろう。未払い給料をもらえず解雇の危機に瀕しているイースター航空の社員らはハンガーストライキを続けている。

「“NO JAPAN”成功でユニクロ営業実績悪化」のフェイク

 韓国で不買運動の代名詞になったユニクロも同様だ。

 韓国ユニクロの運営会社、エフアールエルコリアは、昨年2-6月の雇用人数が月ごとに増加し、6月には社員数5000人を突破してピークに達した。

 しかし、昨年後半からはじまった不買運動の打撃で、今年6月時点の社員数は約3000人にとどまっている。全国で188店あったユニクロの店舗数は、166店に減少した。

 10月15日、日本のファーストリテイリングは、2019年9月から2020年8月までの売上は、前年同期比12.3%減の2兆88億円で、純利益は同期比44.4%減の903億円、海外事業部門は売上が前年比17.7%減の8439億円、営業利益は63.8%減の502億円と発表した。

 韓国メディアはファーストリテイリングの実績発表ニュースを受けるとすぐさま、「韓国で少なくとも数十億円の損失と推定」「“NO JAPAN”で赤字」「不買運動の余波」など、「韓国の“NO JAPAN”が成功した」というコメントを強調する報道を展開した。

 しかし、ファーストリテイリングは来年会計年度について「ユニクロインターナショナルは売り上げが大幅に増加し、営業利益が2倍以上増加するだろう」という見通しを述べている。

 しかし、韓国では業績回復の兆しが見えず、エフアールエルコリアの雇用数も減少すると予想される。

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