読売ソウル特派員が「警官にツバ」で逮捕 会社に報告せず取材を継続

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 異国の地で、気持ちが大きくなってしまったか。

 赴任先で酒に呑まれ、人生につまずいてしまったのは、読売新聞ソウル支局のA記者である。

 コトが起きたのは、今年7月14日のことだった。

「酒を飲んでいたAが、帰宅後、自宅マンション前で騒ぎ、警察官が駆け付ける事態になってしまった」(読売新聞関係者)

 いくら“情緒”のお国柄とはいえ、法治国家。話せば事情は伝わっただろうに、

「Aは、駆け付けた警察官に逆切れし、罵詈雑言を浴びせた上、ツバまで吐きかけ現行犯逮捕。数時間で釈放されましたが、9月10日に、在宅起訴となったのです」(同)

 とんだ不届き者だが、周囲の評判は良かった。

「彼は、2008年入社の30代。振り出しは青森支局でしたが、自ら熱望して数年のうちに政治部へ異動。その後、国際部へ移り、17年9月にソウルに赴任した。絵に描いたような出世コースですよ」(同)

 もっとも、こんな二面性もあったという。

「日本人記者の間では、人柄も良く優秀と褒めそやされていましたが、取材対象である韓国の役人などからは“高圧的”と陰口を叩かれていた。酒癖も悪く、酔うと人をツネったり叩いたり。他社の支局員とトラブルになったこともあったとか」(現地の事情通)

 驚くのは、A記者の逮捕後の行動である。

「釈放されたのをよいことに、彼は会社に報告もせず、仕事を続けていた。9月1日には検察を取材し、サムスングループ副会長の在宅起訴を報じていましたが、自分が同じ目に遭うことまでは掴めなかった」(同)

 本誌(「週刊新潮」)の取材の翌日、慌てて事実を公表した読売新聞。

 同社広報部は、

〈記者本人の精神的な状況や懲戒処分期間が終了していなかったことを踏まえ、これまで報道を控えていました〉

 と弁解するが、先の読売関係者は、

「処分期間満了まで不祥事を公開しなくてよいなんて聞いたことがありませんよ」

“部数世界一”が泣く。

週刊新潮 2020年10月22日号掲載

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