秋篠宮家の炎上を招く「生々しさ」とは お金、恋愛問題への忌避感か

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「宮内庁」も打つ手なし

 言うまでもなく皇室は広く国民から敬い親しまれ、「お手本」とされてきた方々である。皇統を受け継ぐご一家とこうした世評とは本来、決して相容れないはずなのだが、先のジャーナリストは、

「ネット上の書き込みとはいえ、かつてこれほどまで批判的な意見を寄せられた皇族方は記憶にありません。振り返れば、皇太子妃時代の雅子さまは、ご病気のためにご公務もままならなかった。そのことで批判的な書き込みがなされたこともありましたが、SNSの進化もあり、今とは規模が違いました。そもそも、現在は圧倒的にそのなさりようを称賛する声に転じているのです」

 けだし世間の風とは移り気である。が、それを差し引いてもなお、容易ならざる事態であるのは言うまでもない。皇室制度に詳しい小田部雄次・静岡福祉大名誉教授が言う。

「コロナ禍で失業者だけでなく、精神的な不安定さを感じる人も増えているといったニュースもあります。昨年、宮内庁の記者会に所属する若手女性記者が会見で『佳子さまは普段、何をされているのか』と質問したことが報じられ、佳子さまをバッシングする声がネットに溢れたことがありましたが、確かに現在、佳子さまの同世代でも正社員になれず、非正規雇用に流れていく人も多いことでしょう。国民は苦しい状態にある中、就職せず、たまに行事にだけ出席なさるといったスタイルに疑問を持つ人が出てくるのも、致し方ないとは思います」

 ネットでは、目に余る記述も散見されるのだが、

「匿名で建前がない分、厳しい言葉が並んでしまいます。ですが、それでも国民の声であることに変わりはありません。すべてではありませんが、そこには国民の本音が潜んでいるでしょうし、そうした局面と向き合われるご姿勢もまた、大切ではないでしょうか」(同)

 この由々しき事態をどうすべきか。ご一家をお支えする宮内庁もまた、こうした事態を十全に把握しているとは言い難く、それゆえ手を拱(こまぬ)くしかないようだが、そもそもの根源は、平成の代から尾を引く結婚問題である。仮に小室さんがひとこと「私が働いて返済します」とさえ言えば、状況は大きく動くことだろう。

「人間的な生臭さ」

「眞子さまと小室さんの問題は、お金と恋愛という非常に“生々しい”要素を抱えています」

 そう指摘するのは、皇室に詳しい名古屋大学大学院の河西秀哉准教授である。

「その人間的な生臭さが、かえって国民からの忌避意識に繋がってしまっている。皇族が身近に感じられるのは良いことですが、人間臭さが出すぎると、今度は国民との距離感を保つことができません。平成の御代はそれが実にうまくいっていたのですが、今回、秋篠宮家は過剰に表出してしまったのではないでしょうか」

 結果、容赦のない批判を招いてしまったというのだ。

「小室さんは文書でコメントしましたが、その後はずっと雲隠れを続けています。言葉がないからこそ疑念が生まれ、それがさらなる疑念を生む。遅きに失した感はありますが、今は国民への丁寧な説明が不可欠です」

 その“生臭さ”は一方で、

「ご年齢相応の豊かな感情を持ちつつ懊悩を抱える一人の女性が、同時に国民統合の象徴の一員として多大な重責を担っていることの表れでもあります。そうした眞子さまの葛藤が最も表れているのが今回の結婚問題。だからこそ文書ではなく、眞子さまご自身が肉声で、しぐさや表情も伴いながら思いを述べられるのが最良だと思います。そうすれば国民にはお気持ちが伝わり、納得する人も必ず出てくるはずです」

 もっとも、小室さんや宮内庁にそうした覚悟があるかといえば、甚だ心許ないのだが……。

週刊新潮 2020年10月22日号掲載

特集「『佳子さま』ダンス封印! 『立皇嗣の礼』確定 それでも『秋篠宮家』への大逆風」より

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