日本の輸出規制は「迷惑」、日本に収監された韓国人問題に「謝罪」しない文大統領の不実

国際 韓国・北朝鮮

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「海外で罪を犯して収監された韓国人の人権も重要だ」

 他国の弊害にしかならない統計をほぼ毎年調査して発表しながらも、これに対して解決策として出した結論は実に荒唐無稽だ。

 自国民が国外で罪を犯して収監され、相当数が麻薬という重大犯罪に該当しているのだから、彼らに対する重い処罰や本国強制送還の要請はもちろん、一国の政治家であれば自国民が罪を犯した国に対し、まずは謝罪するのが筋である。

 にもかかわらず、尹氏はむしろその犯罪者が外国刑務所にいるという理由で、彼らに対する保護を強化すべきだと主張しているのだ。

 現在、韓国国会議員のトップといえる朴氏は、3度に亘り同じテーマの統計を発表してきたにもかかわらず、2016年の統計では「麻薬前科者は再犯率が高いだけに、出入国管理が必要だ」という形式的な主張に留まり、根本的な解決策は示さなかった。

 むしろ昨年は「海外で罪を犯して収監された韓国人の人権も重要だ」、「在外韓国人に危害を加えると厳罰に処されるという認識を与えなければならない」などと、尹氏と大差ない発言を繰り返した。

日本の対韓輸出規制に対し、「利己的迷惑行為」と叫んだ文大統領

 文在寅大統領は昨年8月、日本政府の対韓輸出規制発表直後、韓国政府も対抗措置を取るという立場を明らかにし、日本政府に対し「世界経済に大きな被害を与えた利己的迷惑行為」と指摘した。

 その一方で文大統領は、北朝鮮が韓国国民の血税300億ウォン(約27億円)を投じて設置した南北共同連絡事務所庁舎を一方的に爆破しても、依然として核兵器を廃棄せずにミサイル発射実験を強行しても、自国民の公務員が海上で銃殺された後に遺体を燃やしても、金正恩には「めいわく」の「め」の字も言わなかった。

 自国の在外国民が日本の刑務所に最も多く収監されており、それも相当数が麻薬犯罪容疑であるのに、文大統領はこの恥ずかしい状況に対して迷惑をかけているとは言えないのだろうか。

 文大統領は、自身を支持する2人の政治家がほぼ毎年似たような統計を発表していることを知らないはずがない。

 それなのに、日本に対する謝罪や根本的な解決策を提示することをせず、ひたすら「(罪を犯した)自国民保護」に集中していることこそ、「世界経済に大きな被害を及ぼす利己的な迷惑行為」ではないかと問わずにいられない。

韓永(ハン・ヨン)
検察担当記者などを経て現在フリー

週刊新潮WEB取材班編集

2020年10月10日掲載

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