錦織と植草が退所しても「少年隊」の名は残さねばならない事情

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ジャニーズの錬金術

「今や3人とも50代半ば。錦織は舞台演出をしていますが、この歳まで代表作やヒット作に恵まれないと次の仕事が舞い込むことは少なくなります。ジャニー喜多川氏が存命時には、恩恵を受けていましたが、亡くなってからはそれもなくなった。さらに今年10月からは三越劇場で、久本雅美と藤原紀香を起用したコメディを予定していましたが、コロナ禍で中止となってしまいました。将来的にも見通しは暗いといわざるを得ません。そして植草も、ドラマで演じてきたのは脇役が多かった。しかし、そういった仕事も、この歳になると徐々に減ってきます。やはり、主演クラスでないと生き残るのは難しい」(同)

 一方、ヒガシは主演の「刑事7人」(テレ朝)はシリーズ化され、情報番組「サンデーLIVE!!」(テレ朝)ではMCも務めている。この差はどこから生まれたのか。

「東山こそ、ジャニー喜多川氏の秘蔵っ子でしたからね。そして東山も、それに応えるように、ストイックに体作りを続け、デビュー当時と変わらないスタイルをキープしています。彼に比べると他の二人は、ジャニーズの所属タレントとして知っている若い人はいないのではないかと思うほど老けました」(同)

 だから二人だけ退所することになったのだろうか。

「ジャニーさんが亡くなって、滝沢秀明がジャニーズJr.の面倒を見るようになってから、体制も変わりました。現在、ジャニーズ内の世代交代が急速に進んでいます。これまで活躍してきたベテランであっても、“いま仕事がないのであれば、卒業してもらおう”というドライな方針になっているといいます。たとえ事務所に多大な利益を生んだ功労者であっても、容赦しないようです」(同)

 そうまでしておきながら、少年隊の名を残すというのは妙な話ではないか。

「先程、少年隊はヒット曲が多いと言いましたが、今でも年間に“印税”として、かなりの額が入ってくるんです。アイドル時代を知っている世代はもちろん、若い世代にも彼らの歌はカラオケで歌われています。というのも、ここ数年、各局の音楽番組で、“ジャニーズ・メドレー”という企画が多く作られて、少年隊やSMAPなどの曲も後輩ジャニーズが歌う機会が増えています。若いジャニーズが歌うだけでも印税はジャニーズが持つ音楽出版社に支払われますし、それがカラオケにまで拡がれば、さらに額は大きくなる。これこそジャニーズの類い希なビジネスモデルであり、錬金術です」(同)

 だが、名前を残さずとも印税は入ってくるはずだ。

「少年隊の名を永久欠番のように残しておけば、いずれはモーニング娘。やJ SOUL BROTHERSのように“二代目”“三代目”の少年隊を結成させることもできますからね。最近は、新しいグループを大ブレイクさせることはなかなか難しくなっています。そんな中“二代目”という売り出し方は、往年のファンも注目しますし、ヒットする確率も上がります。このような戦略のために、〈後輩達の道標〉として名を残すことにしたのでしょう」(同)

 決して、美談ではないということか。

「ジャニーズの先輩たちが年齢を重ねながら、コツコツと築いてきたのがディナーショーです。これも少年隊の名を残すことで、開催できると踏んでいるんです」(同)

 3人で?

「いえ、東山一人です。彼だけでディナーショーを開催しても、かなりのファンが参加するでしょう。彼なら今も、キレッキレッで踊ることができるでしょうから」(同)

 なぜそこまで?

「将来的に東山を社長にしたいという思惑が、メリー喜多川さんや藤島ジュリー景子さんにあるからです。ヒガシのために少年隊というグループ名を存続させ、決して消滅させないというわけです」(同)

 12月12日には、少年隊デビュー35周年のベストアルバムが発売される。完全受注生産限定盤(5CD&7DVD)は、2万8000円(税抜き、一般価格)である。確かに貢献している。

週刊新潮WEB取材班

2020年10月9日掲載

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