菅義偉と創価学会 かつての敵が学会にとって“歴代最も与しやすい首相”になるまで

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与しやすい首相

 2019年の北海道知事選で鈴木直道知事が勝利したのは、菅=佐藤ラインの“暗躍”があったからだと、これもFACTAが報じた。

(2019年6月号「『令和おじさんの天領』と化す北海道 菅官房長官が道政に入れあげるのにはワケがある。傀儡知事の誕生は、自らを首相候補に押し上げるから」)

 政治担当記者は「2人の“蜜月”は強化されることはあっても、距離が離れるようなことはありませんでした」と振り返る。

「2014年の総選挙では、維新の会が大阪の選挙区で対公明党の“刺客”を放つ構えを見せると、当時の菅官房長官は佐藤副会長の意向を受けて維新側と協議。結局、維新は立候補を取り下げてしまいます。

 この深く結ばれた関係を学会側から見ると、自分たちの声に耳を傾けてくれる政治家が首相にまで登り詰めたわけです。『菅首相なら、最も与しやすい』と考えていたとしても不思議はないと思います」

菅首相に期待を寄せる学会

 乙骨氏は、創価学会とこれだけ太いパイプを持つ政治家が首相に就任したのは、「日本の憲政史上、恐らく初めてでしょう」と言う。

「創価学会は政教一致の批判を回避するため、自分たちは政治家と直接コンタクトせず、公明党を間に挟むことを心がけていました。その大前提を崩したのが菅=佐藤ラインということになります」

 創価学会にとっては、自分たちのほうを向いてくれる首相の存在が、ありがたいのは言うまでもない。

「創価学会は今年の11月に90周年を迎えますが、菅政権の誕生はまたとない朗報でしょう。今後を考えると、来年1月に93歳を迎える池田大作名誉会長の健康状態が大きな問題になります。

 学会のXデーに対する備えはあるでしょうが、実際に起きたとなると、様々な混乱が生じるかもしれません。こうした状況の中、菅さんが首相であることは、心強いはずです」(同・乙骨氏)

週刊新潮WEB取材班

2020年10月5日掲載

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