菅義偉と創価学会 かつての敵が学会にとって“歴代最も与しやすい首相”になるまで

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「絶対的な実力者」

 総合情報誌「FACTA」(ファクタ出版)は13年10月、佐藤副会長について次のように伝えた。

《選挙参謀でもあり、支持政党・公明党の候補者選びでは今や絶対的な権限を握る実力者とされる》

 この記事で、佐藤副会長は53歳と記載されている。すると現在は60歳ということになるだろうか。

(2013年11月号「『創価学会のドン』は死なず 脳梗塞で倒れた池田大作名誉会長が職務に復帰。11月18日の『総本部』竣工祝賀に安倍首相を招き、復活をアピール?」より)

 佐藤副会長とはどのような人物なのか、学会ウォッチャーの乙骨正生氏が解説する。

「佐藤氏は大学を卒業すると、杉並区の男子部長に任命されます。その後、全国の男子部長、青年部長とエリートコースの王道を歩んでいきました」

教宣・広宣部長として活躍

「全国の男子・青年部長は、選挙を取り仕切るポジションです。だからこそ出世コースなのですが、佐藤氏は別の仕事で評価され、頭角を現します。人のやりたがらない、厳しい仕事で成果をあげたのです」(同・乙骨氏)

 佐藤副部長は教宣部長、広宣部長も歴任している。これが出世の糸口になったという。

「かつて創価学会は日蓮正宗の在家信徒団体という位置づけでしたが、様々な対立の結果、91年に日蓮正宗は創価学会を“破門”します。

 その日蓮正宗の中で、最も反学会の旗幟を鮮明にしていたのが妙観講というグループで、杉並区に本部があります。

 この妙観講など、創価学会に敵対的な宗教団体や、マスコミ、ジャーナリストと対応・対峙するのが教宣部長、広宣部長の役割です。

 精神的にも負担が大きい仕事であるのは言うまでもありませんが、佐藤氏はこれをやり抜くことで、上層部に認められたのです」(同・乙骨氏)

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