「半沢直樹」のネット配信が遅れた理由 TBSが「芸能界のドン」に忖度して…

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続編を“人質”に夏目三久の番組を存続

 視聴者の方を向かず、新規ビジネスの芽をも潰して“ドンに土下座”するに等しい醜態を半沢が見れば、TBSを叱り飛ばすに違いない。真相を確認すべく、田邊氏を電話で直撃すると、

「ネット配信の権限はTBSにある。お任せしていますから、僕がコントロールしているわけじゃないし、僕たちのビジネスじゃないんで。やりたいならどうぞ。やめて貰う理由なんてどこにもないもの。じゃ、そういうことなんで」

 そう煙に巻くばかりだが、TBSがここまで田邊氏に忖度するのにはワケがある。

 スポーツ紙の芸能担当記者によれば、

「半沢続編が7年もかかったのは、田邊氏がTBSに許可をなかなか与えなかったから。背景には、田辺エージェンシーに所属する夏目三久が担当する『あさチャン!』の存在がある。視聴率低迷が続き、常に改編の対象なのに、TBSは打ち切らせたくない田辺サイドに、半沢続編を人質に取られていた。ドラマも大団円を迎えることで、ようやく他局に負けていた朝番組に改編のメスを入れることができる。それまで田邊氏の機嫌を損ねてはマズイのです」

 付言すると、そんなドンは周囲に、「俺が7年も空白期間を引っ張ったから、ファンの飢餓感が増して、今回のヒットになった」と自慢しているという。制作の舞台裏を覗けば、ドラマ同様「大人の事情」に溢れていたが、最終回を迎えて泣く或いは笑うのは、いったい誰になるのだろうか。

週刊新潮 2020年10月1日号掲載

特集「『半沢直樹』名脚本家が剛腕監督に切られた制作遅滞の舞台裏」より

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