「半沢直樹」監督の“パワハラ気質”で脱落者が続出 放送延期の本当の理由は…

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ダメ出しで脚本の書き直しが

 今日ついに最終回を迎えるドラマ「半沢直樹」(TBS系)。初回から9話連続で20%台と高視聴率を獲得するお化けドラマだが、国民的な熱狂の裏で収録遅滞が慢性化し、現場は常に綱渡りの状態だったという。9月6日放送の第8話が放送延期された際、番組は「新型コロナウイルスの影響」と説明したが、本当の理由は制作スタッフ間のトラブルだったのだ。

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 新元号に変わって日が浅いとはいえ、「令和」のドラマ視聴率では1位を獲得、SNSのツイッターにおける「トレンド世界一」にも輝いた。何もかもが記録ずくめの国民的番組となったのが、TBS系列で放映中の日曜劇場「半沢直樹」だ。

 毎週20%超の視聴率を叩き出すお化けドラマも、いよいよ9月27日の第10話を以て最終回。どんな「千倍返し」が待っているのか――。実は視聴者以上にハラハラして最終回を迎えるのは、ドラマ制作に携わるスタッフたち。今年2月にクランクインしてから、収録遅滞が続き現場は綱渡り状態だった。

 その象徴たる出来事が第8話の放送延期だろう。収録が間に合わないという前代未聞のトラブルに、苦肉の策としてTBSは放映日に「緊急生放送」を企画。堺雅人や香川照之、片岡愛之助ら主要キャストによる座談会を決行したのは記憶に新しい。

 コロナを理由に全てのことが「想定外」で片づけられてしまう昨今、TBSも表向きには「コロナの影響で撮影スケジュールが狂ってしまった」との釈明に終始しているのだが……。

 スポーツ紙の芸能デスクに言わせれば、

「クランクインは2月でしたが、コロナで撮影が2カ月ほど中断。放送開始後も、8月にはスタッフに感染者が出てしまった。予防の観点から予定していたロケ地も変更となり、放送直前に編集を終える態勢を余儀なくされたのです」

 だが、疫病の影響は他局だって同じこと。同時期に始まった連続ドラマで、予定日に放送できず「緊急特番」となったのは「半沢直樹」だけなのである。

「一番の原因は、脚本家の八津弘幸さんが続編では外されたことです」

 と明かすのは、さるTBS関係者。

「2013年版の半沢で、全話の脚本を担当していた彼に代わり、今回は複数人の脚本家がチームを組んで台本を書く体制となりました。その彼らに対して、プロデューサーや監督のダメ出しが続き、コロナ禍に関係なく第1話から脚本の仕上がりが遅れていた。いざ収録が始まっても、主演の堺さんは職人肌なので、“半沢ならこういうことは言わない”と注文をつけることがあり、台本の書き直しが日常茶飯事となっていました」

脚本への不満

 実際、先の「緊急特番」を振り返ると、脚本への不満とも取れる出演者たちの発言が散見された。

 前出のデスクによれば、

「堺や香川などの主要キャストは、今作で話題の『おしまいDEATH!』などの名台詞の多くが、役者のアドリブであったことを吐露しました。要は台本に書かれていないセリフは、我々が現場で思いついたことだと。視聴者へのお詫びも兼ねた生放送ですから、多少のリップサービスもあったと思いますが、脚本家から見ればチクリと皮肉を言われているようなものですよ」

 ちなみに、件の番組では、司会の安住紳一郎アナが、こう視聴者に釈明していた。

「今夜の放送ができなかった最終責任を担うということで、福澤克雄監督にも同席いただいています」

 彼こそが半沢の演出を一手に担う監督で、その風貌と相俟(あいま)って局内ではジャイアンにちなみ「ジャイさん」と呼ばれているとか。福澤諭吉の玄孫で慶大時代にはラガーマンとして日本一も経験。TBS入社後、ドラマ制作の現場で頭角を現し、「下町ロケット」シリーズや「陸王」など池井戸潤氏原作の作品を多数手がけてきたヒットメーカーである。

 その傍らには、企画段階で原作者と折衝し、キャスティングや予算の配分を差配する相棒のプロデューサー・伊與田(いよだ)英徳氏と、脚本を担当する八津氏の存在が欠かせなかったという。

 先のTBS関係者曰く、

「今でこそ、NHKの次期朝ドラを担当するなど売れっ子の八津さんも、実質的には前回の半沢直樹でブレイクしたと言っていい。当時は福澤さんの手足のように使われ、その都度、台本を書き直しさせられた挙句、撮影中もTBSの緑山スタジオで寝泊まりさせられていました。身を削って“福澤ワールド”を形にしてきただけに、福澤監督と何本も作品を手掛けて結果を出し、両者の関係はバッチリはまっていた」

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