「中核派」議長、半世紀ぶりに表舞台に 故・西部邁氏とも親友

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 半世紀ぶりの“椿事”である。

 今月6日、東京・荒川区で開かれた政治集会に、革命的共産主義者同盟全国委員会、通称「中核派」の清水丈夫(たけお)議長(82)が、姿を現したのだ。

「清水丈夫といえば、中核派にとっては伝説の議長。全学連書記長として60年安保闘争を戦いましたが、革マルや公安の“妨害”から逃れるため、1970年代以降、実に51年にわたって外部との接触を断ってきたのです。写真も学生時代のものが数枚あるだけで、その容姿すら謎だった」(中核派ウォッチャー)

 ちなみに、一昨年、自ら命を絶った評論家の西部邁氏とは、東大時代の親友。

「西部氏も清水氏のことが気になっていたのでしょう。“今でもすれ違えば、あいつだと分かる”と晩年まで名残惜しそうに話していたといいます」

 6日の集会では、半世紀にわたる“非公然活動”を“勝利”と位置付けた清水議長。ところが、表舞台に姿を現した背景には、苦しい事情が垣間見える。

「ここ数年、中核派は深刻な路線対立に悩まされ続けてきました。おまけに昨年、党内における女性差別問題を、最高指導部である政治局が隠蔽していたことが発覚。政治局員全員が辞任する非常事態となった。その後も幹部によるセクハラなど不祥事が後を絶たず、組織はボロボロです」

 さらに拍車をかけるのは高齢化と資金難。

「中核派であることを隠した市民団体を設立し、若い世代を勧誘したりしていますが、上手くいっていない。今月からは機関紙の『前進』が値上げとなり、革命どころじゃないんです」

 姿を現すのが遅すぎたか。

週刊新潮 2020年9月24日号掲載

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