警察激怒の「山口達也」強制わいせつ事件 女子高生による「被害者調書」の中身

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ジャニーズ事務所も知らないままだった

 この出来事と「被害者調書」の存在は、ジャニーズ事務所も知らないままだった。捜査を担った警視庁捜査1課は、3月中旬から山口への聴取をスタートさせている。

 山口は否認を続け、ウソ発見器にもかけられ、その結果、強制わいせつ容疑を認めた。

 その後も仕事を続けていたものの、普段以上に気持ちのアップダウンがあることについて担当マネージャーが質したところ、この一件を告白した。4月16日のことである。

 ジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子副社長の反応について、さる警視庁関係者に聞くと、

「山口をかなり厳しい口調で非難したようです。その反応を見ると、謹慎どころか『契約解除』も十分あるという感じだった。実際そのようになったわけですが……」

「ジュリーさんは被害者の所属事務所トップにも会って謝罪しています。彼女にも被害女性とほぼ同世代の娘さんがいますからね。ただ、被害者側との間では、示談で処理する流れだったと聞いています」

 警察にとって山口の心証が悪すぎて、送検されるとまで想像だにしなかったということになる。

「山口に気に入られなければ出演も覚つかない」という支配構造

 山口と被害女性らが出会った『Rの法則』とは、2011年3月末にNHKのEテレで始まった番組だ(2018年4月に終了)。

「10代女子の気になるトレンド」などについて、司会の山口とゲスト、高校生のタレントやタレントの卵十数名であれこれコメントし合うものだ。

「教養バラエティ」を謳ってはいるが、中身自体は「水着の選び方」、「猫背を伸ばしてバストアップ」など‥…。そして、この「高校生のタレント」のなかに、今回の被害女性らも含まれていたのだ。

 週4回放送のこの番組に出演経験のある女子は、

「男子と女子の間での連絡先の交換もダメだよって局側から言われているんですけど、(ジャニーズ)ジュニアの男の子とかがよく出演していて、やっぱりカッコいいから、近づこうとする女子はいました」

 問題はそればかりではなく、

「限られた出演枠を狙って、タレントが『イス取りゲーム』をしているのを想像してください。で、出演者を実質的に差配しているのは、山口側と制作会社側なんです」

 裏返せば、山口に気に入られなければ出演も覚つかない。実際、被害女性が山口の誘いを断りきれなかったのも、「断れば出演できない」と言うプレッシャーがあったことは想像にかたくない。

 いびつな支配構造を生み出してしまったことも問題だが、それを自覚せず、ただ胡座をかいていた山口には「クビ」という厳しい処分が下ったのだった。

週刊新潮WEB取材班

2020年9月23日掲載

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