芦名星さんを偲ぶ 映画「七瀬ふたたび」で主演、多岐川裕美との新旧ヒロイン対談

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二人は時空を超えて似ている!?

――芦名さんは新しい経験をしていきたいとおっしゃっていましたが、最近、何か新しいことはされましたか。

芦名 最近の新しい経験は、国内の11県ぐらいを車で回ってきたことです。

多岐川 一気に11県もですか。

芦名 はい。8日間ぐらいお休みをいただいて、泊まるところも決めず、車でずっと。

多岐川 一人で? 危険ですね。大丈夫でした?

芦名 大丈夫でしたね。結構そういうことをするんです。世界遺産を見てこようと思って、それで自分で地図を見ながら、場所とルートを決めました。愛知から三重とか回って、大阪まで行って、長野のほうを通って戻ってくる――こんなルートで行けるかなと思って。

多岐川 素敵ですね。一人旅も車だったらありですね。電車だと、チケットとか買えなかったり、乗り場とか分からなかったりするでしょう。乗り場、迷っちゃう(笑)。車なら今はナビがついているので方向音痴の私でも、何とかなるかも……。そういうとき、クレジットカードを持っていけば大丈夫ですか。費用はどのぐらいかかるんですか。

芦名 ガソリン代や高速代なども含めたら、10万円ぐらいは必要ですかね。私の車にはETCがついているので、高速代を抜けば現金で5万円ぐらいでしょうか。

多岐川 えっ、カードを持たない?

芦名 私、現金主義なので(笑)。

多岐川 そうですか。現金主義、いいことですね。私も今度やってみようかな。あっ、でも私、一人で食事ができないんだった。芦名さん、食事はどうなさったの?

芦名 一人でラーメン屋に行くのも抵抗がないんです。

多岐川 えっ、すごい! 私にはできないわ。

――多岐川さんの新しい体験はありますか。

多岐川 私は行動派じゃないんですね。今年はずっと舞台をやっていたので、新しいことといったら、これまで演じたことのない役をやらせていただいたことでしょうか。「三婆」というお芝居でお婆さんを演じたのですが、「三婆」は歴代すごい女優の方ばかりが演じてきました。人ごとのように見ていたし、まさか自分がやるとは思わなかったんですよ。その後が「大奥」で将軍の生母、実成院(じつじょういん)というすごい役でした。でも、プライベートで新しい体験となると ……。芦名さんのように私も何かしたいですね。

――常にこういう女性でありたいとか、生き方でこだわっていらっしゃることはありますか。

多岐川 こういう女性でありたいというのは、もうあり過ぎて……。私は普通の女性ができなければいけないことは何もできないんです。男の人にとって理想の女性像ってありますよね。そういうふうになりたいと思いますね。

芦名 私は何かに向かうと、お芝居でも何でもそれしか見えなくなっちゃうんです。そうすると、すごく視野が狭くなって、とてもマイナス思考になってしまうことのほうが多いんです。そうなると、自分でもどうしたらいいか分からなくなって、どんどん陰のほうに入っていく癖があるので、できればもっと思考をプラスに持っていくように変わりたいですね。そのほうが自分自身にとっても、見てくださる方に与える印象も変わってくると思うので。

多岐川 私もよく細かいことにとらわれてしまうんですね。性格が何か似ているわ。プラス思考になりたいとか、まったく一緒。だから、恋人とか、プラス思考に引っ張ってくれる人が側にいたほうがいいかもしれませんね。七瀬を演じた二人が、時空を超えて性格までもよく似ているので、ちょっと驚きました(笑)。

――最後に、特にやってみたい役などはありますか。今後の展望などもお聞かせください。

芦名 今、私はどんな役でもすべて新鮮ですし、自分がどこまでできるんだろうって考えたりします。どんな役でも携わっていられればいいというのが正直なところなんですけど、最近アクションの稽古を始めたんです。そういうものを使える役があったら楽しいかなと思いますね。

多岐川 女性のアクション、格好いいです。似合いますよ。

芦名 ありがとうございます。頑張ります。

多岐川 私も役については来るもの拒まずになっているんですが、今まであまりやったことのない役をやりたいですね。これまでホワンホワンとした役柄ばかりやっているので、理知的な学者さんとか、例えばお婆さんやお母さんの役でも、パパパッと娘に指示できるようなタイプをやってみたい。実際の生活では、しっかり者の娘に呆れられてばかりですから。ないものねだりかもしれませんね(笑)。

2020年9月16日掲載

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