「ヒュンダイ」日本再上陸プラン…韓国人が不満を持ちつつ購入するワケ

国際 韓国・北朝鮮 2020年9月11日掲載

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韓国で目にする自動車の半分がヒュンダイ、系列を合わせると70%超

 ヒュンダイ(現代)自動車は韓国を代表する自動車メーカーであり、韓国人が常に関心を持つ企業である。生産量がアジアの自動車メーカーの中でトヨタと並んで「グローバルトップ5」に入るほど世界的な規模だが、その一方で生産量を除く企業理念や経営などについて、さまざまな議論が飛び交っている。「日本のみなさん、こんにちは!」とツイッターで日本再上陸をほのめかしている中で、日本人にとってもそれは無縁ではない。

 現代自動車が属する現代自動車グループは20に及ぶ企業を傘下に持ち、自動車のほか、鉄鋼、金融、部品製造、建設など多様な分野で構成されている。正規職だけで13万人余りの労働者数を擁する韓国最大の企業である。

 現代自動車の韓国における市場シェアは2019年に一時落ち込んだものの依然として40%台を維持している。

 今年はまだ正確な集計が出ていないが、韓国自動車産業協会の統計によると、20年1月までの現代自動車の韓国市場シェアは49%に上っている。

 韓国で目にする自動車の半分が現代自動車ということだ。さらに、現代自動車とグループに属する系列会社の起亜自動車を合わせたシェアは実に70%を超えている。

 韓国内を走行する自動車10台のうち7台が現代自動車か起亜自動車なのである。自由な競争が保障される韓国で、現代自動車グループの寡占は、常に問題点として指摘されている。

 現代自動車が韓国市場で勢いを持った理由は簡単だ。

 1950年代以降に生まれた韓国の戦後世代にとって、現代自動車は迷わず購入する品目の一つだった。

 韓国の自動車メーカー初となったオリジナルモデルのポニーを販売し、韓国のモータリゼーションとマイカー時代の幕開けを主導。当時、輸入車は一般人には手が届かない領域で、現代自動車は大宇や起亜などといったライバルの一歩以上先を進んでいた。

米国10年10万マイル(約16万km)、韓国3年6万kmという保証期間

 現代自動車が韓国内で高い人気を持つもう一つの理由は、韓国人の好みに合う多様なオプションが提供され、どこへ行ってもメンテナンスや整備を受けられる利便性だ。

 現代自動車グループの鄭夢九(チョン・モング)会長は、現代自動車サービスとかつて三菱シャリオをベースにしたサンタモや三菱パジェロをベースにしたギャロッパーを生産した現代精工(現・現代モービス)を経て、現代自動車グループの会長になったが、それらの経験が韓国市場1位の維持に大いに役立ったと話している。

 2005年あたりから韓国では輸入車のシェアが毎年1%以上の成長を記録し、シェアを高めはじめた。

 韓国輸入自動車協会(KAIDA)の統計によると、12年に10%を突破し、18年は16%で、19年と20年は15%台になると見込まれている。

 業界関係者の多くが現代自動車の危機を予測した。

 父親世代と違って、若い世代はあえて現代自動車にこだわらない。また、海外留学を経験した人が増え、多様な金融プログラムが登場したことも輸入車のシェア拡大に一役買った。

 さらに、インターネットが普及し、さまざまな情報が溢れ出て「迷わず購入する現代自動車」のイメージが徐々に崩れ始めた。

 もちろん、依然として現代自動車のシェアは非常に高い。

 個性や自分が求める車、あるいは高くても高級というイメージがある輸入車を購入する人が増えたのは事実だが、自動車を購入する大多数はあれこれ面倒なことを考えず、安易に便利な現代自動車を選んでいる。

 一方、消費者の不満は次第に高まっている。

 消費に関わるほとんどすべての情報が公開されると、現代自動車の米国販売価格と韓国販売価格の差に対する不満が論じられ(米国販売価格の方が安価)、また米国10年間10万マイル(約16万km)、韓国3年間6万kmという保証期間の違いも知られるようになった。

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