「岸田政調会長」が“敵前逃亡” 石破元幹事長とのテレビ共演を恐れて…

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 一世一代の大勝負である。総裁選にあわせ、『岸田ビジョン』と題した著書の出版を前倒しにし、加えて積極的なテレビ局行脚にも及んだ。その人、岸田文雄政調会長(63)は画面越しに自身のビジョンを伝えられたのか……。

 一見するだけでも、8月30日のフジテレビ系「Mr.サンデー」、31日の日本テレビ系「スッキリ」などにいずれも単独インタビューという形で次々と出演した。それ以外にも、自身の私生活をテレビ局に密着取材させ、息子との食事の様子を撮影させるなど、露出を増やすべく懸命なご様子なのだが、

「各番組でのインタビューがあまりに面白くなかったんです」

 と、手厳しいのは自民党担当記者。

「尺は長く話すのに具体性がなく、内容が頭に全く入ってこない。知名度アップが岸田さんの課題と言われ、自身のメディア戦略について今年から力を入れてきたのに、これで人気が出るとはとても思えません」

 その話の“つまらなさ”には昔から定評があった。

「自身のエピソードを魅力的に語れないので、講演会では寝る人が続出するし、記者とのオフレコの懇談でも質問に対して“ノーコメント”を連発することがままある。オフレコなんだし、答えにくいなら、うまく煙に巻けばいいだけなのに、そういう芸当ができない人なんです」(同)

 そんな口下手の岸田氏がテレビに続けて出演しているのは、言うまでもなく、宰相の椅子を目指しているからに他ならない。それにしては、いささか気がかりな出来事も起きていた。

 実は、安倍総理辞任の報が流れた28日金曜日に、テレビ朝日系「報道ステーション」から岸田氏に対し出演オファーが届いていたという。しかし、実際の放送を見ると、岸田氏ではなく、石破茂元幹事長ひとりの出演だった。

「石破さんにも打診があったので、実現すればダブル出演の可能性もあったのですが、弁が立つ石破さんとの共演になるとそれぞれの発言を比較され、印象が悪くなる可能性がある。だから出演を断った、と言われています」(永田町関係者)

 総裁選を前にして、まさかの“敵前逃亡”――。

「岸田さんはその後、周囲に“総理が辞めると表明したその日に総裁選に出るなんて話はできない。日本人としてね。だからテレビには出られない”と言い訳をしていました。仮にそうだったとしても、周りからは“逃げた”と見られてしまうのがいまの岸田さん。そう言いながら、31日の報ステに“単独”で出演していたので、さらに驚きました」(同)

 岸田氏は9月1日になって正式に出馬表明をしたものの、投開票を前に勝敗は決した観がある。劣勢が伝えられているからこそ、求められているのは、ビジョン以上に度胸、なのだが。

週刊新潮 2020年9月10日号掲載

特集「日々没する国ニッポン『菅義偉』総理への道」より

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