文大統領のラブコールを中国・北朝鮮はスルー…日米とも距離があり孤立の道へ

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東アジアの安定に米軍が欠かせないという安倍首相のとりなしで在韓米軍の撤収は回避

 米トランプ政権は中国寄りの文在寅政権を容赦しない。在韓米軍の駐留経費のほぼ全額となる50億ドルの負担を韓国に要求したのだ。

 さらに、韓国が日韓GSOMIA破棄を通告すると、トランプ大統領は韓国が全額負担に応じないなら在韓米軍を撤収するとまで言い切った。

 在韓米軍が撤収すると日本の負担が増大する。東アジアの安定に米軍が欠かせないという安倍首相のとりなしで在韓米軍の撤収は回避され、また韓国軍が米国から物資を購入するなど妥協案を提示した。

 米国をつなぎとめた文在寅大統領は、習近平中国国家主席の訪韓を切望している。総選挙を目前に控えた3月の来臨をお願いしたが、新型コロナの影響で延期になった。

 旧宗主国の中国におもねり、北朝鮮にラブコールを送る左派政権だが、習近平主席と金正恩委員長は黙殺している。

 トップが変わると約束が反故になることを熟知しているからだ。

 失政が続く文在寅政権は折り返し地点を通過した。次は保守政権となる可能性が高まっており、保守は旧宗主国より、米国を重視する。

 文在寅と交わす約束事は十中八九、反故にされることがわかっているのだ。

 文大統領は習近平主席の来臨を心待ちにしているが、習主席は訪韓より訪日を重視している。

 日米と距離を置く一方、中国からも相手にされない文政権に残された道は孤立しかない。

佐々木和義
広告プランナー兼ライター。商業写真・映像制作会社を経て広告会社に転職し、プランナー兼コピーライターとなる。韓国に進出する食品会社の立上げを請け負い、2009年に渡韓。日本企業のアイデンティティや日本文化を正しく伝える必要性を感じ、2012年、日系専門広告制作会社を設立し、現在に至る。日系企業の韓国ビジネスをサポートする傍ら日本人の視点でソウル市に改善提案を行っている。韓国ソウル市在住。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年9月4日掲載

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