中国「孔子学院」、日本に15カ所で菅官房長官も「動向注視」 スパイ工作機関の闇

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コミュニティとして定着

 孔子学院はアメリカだけでなく、オーストラリアでも問題視されている。

「オーストラリアには大学が41しかありませんが、そのうち14大学に孔子学院が設置されています。オーストラリアのトップクラスの大学は8つあって、6大学に孔子学院があります。ニューカッスル大学では、台湾を独立国と発言した教員の映像を中国人留学生が撮ってネットにアップ。『教室に3分の1いる中国人学生を不快にした』と批判したそうです」(同)

 オーストラリアでも、この1、2年で孔子学院を閉鎖しようとする動きが出ているという。

「実際、オーストラリアで孔子学院を閉鎖すれば、中国はワインや牛肉は買わないと言ってくるでしょうね。アメリカでは、これまでに15大学が孔子学院を閉鎖していますが、まだ100以上残っています。中国は大学生だけでなく、小学、中学、高校生を対象にした孔子課堂も作っています。アメリカには500以上ありますよ。そこで中国文化を学ぶわけですが、すでにコミュニティとして定着しているので、閉鎖に抵抗する大学教員もいます。すべて閉鎖するのは難しいでしょうね」(同)

 日本の孔子学院はどうか。

「日本の場合、リベラルな大学が多いので、露骨に中国を批判する教員は少ない。だから、トラブルは起こっていないようです。ただ、アメリカの動きに合わせるように、最近は開設する大学が少なくなりました。菅官房長官の言うように、警戒し始めたということでしょう」(同)

週刊新潮WEB取材班

2020年9月2日掲載

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