日本は北朝鮮からのサイバー戦争に勝てるのか…暗号通貨、SNSはスキだらけ

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民間任せのビットコイン取引所はセキュリティが脆弱で

1. ビットコイン取引所は、北朝鮮の最重要攻撃目標

 昨年7月11日午後10時頃、暗号(仮想)通貨取引システムが北朝鮮と推定される組織のサイバー攻撃に遭い、35億円の暗号通貨が盗まれた事件をご存知の読者もいるだろう。今年に入って暗号通貨取引所を狙った北朝鮮のサイバー攻撃はさらに高度化し、被害国も増えている。

 アメリカのブロックチェーン分析会社「チェイナリシス」は、「2020暗号通貨犯罪報告書」を最近公開した。その中で、北朝鮮のハッカー組織「ラザルスグループ」が昨年3月に、暗号通貨取引所「ドラゴンエックス」をハッキングし、約700万ドルを盗んだと発表するなど、彼らの犯罪行為は枚挙にいとまがない。

「ラザルスグループ」が日本の暗号通貨取引所を狙っていると分析する理由は、グループが日本専門のサイバー戦部隊の下部組織であるためだ。

 同部隊の主要メンバーは、北朝鮮に帰国した朝鮮総連系の学生の中から選抜された最高のスキルを誇る者たちだ。ハッキングはもちろんのこと、国際金融知識、英語と日本語にも堪能な語学力を生かし、日本の暗号通貨取引所をターゲットにしている。

 そもそも、暗号通貨はブロックチェーン技術により、データが分散しているため、現実的にはハッキング不可能である。

 だが、日韓の暗号通貨取引所は国が介入せず、民間に運用を任せているため、セキュリティが脆弱にならざるをえない。その盲点を突き、「ラザルスグループ」の格好の狩り場となっていると考えても差し支えない。

2. 日本企業と個人に対する無差別ランサムウェア攻撃

 今年6月7日、日本はランサムウェアによる甚大な被害を受けた。

 ホンダが強力なランサムウェアであるワナクライ(Wanna Cry)に感染し、日本とイギリスの電子システムの一部に障害が発生した。ホンダは被害の詳細を明らかにしていないが、世界で初めて悪名高いランサムウェアを生み出したのが、「ラザルスグループ」であることは間違いない。

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