「半沢直樹」と「水戸黄門」に見る共通点…♪人生楽ありゃ苦もあるさ〜

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「人間動物園」がうまく住み分けられて…

 ドラマ内における具体的なことを申しますと、あまりにも強烈すぎる堺雅人さんの言葉や眼力、香川照之さんの立ち振る舞いや大きめの舌打ち、ドスの効いた重低音のお父さん、いや北大路欣也さんのド迫力演技、そして今シリーズの要である柄本明さんの妖怪のような佇まい、冷徹無慈悲なオーラを醸し出す江口のりこさんの存在感。に対して、上戸彩さんの朗らかな抜け感や井川遥さんのしっとりした空気感……。

 元NHKアナの山根基世さんのナレーションのトーンはとりあえず背筋を伸ばして聞いてしまう類のもので、それでいて主張しすぎないからドラマの中身を邪魔することなく、簡潔に説明してくれたらもう終わっている。とにかく、それぞれのキャラクターがしっかりと住み分けられ、絶妙なバランスが取れている。誰ひとりとして役者さんご本人を感じさせることがなく、しっかりとその役になりきっておられることに感銘すら覚えます。

 もろもろ屁理屈を並べてしまいましたが、今後の展開をハラハラしながら待っているのは皆さんと同じであります。片岡愛之助さんの怪演も待ち遠しいどころかもう待てないわ……と私も興奮しております。決して提灯記事とかの類ではないのですが、こんな凄いドラマを見ることができて幸せとすら感じております。

徳光正行(とくみつ・まさゆき)
1971年12月生まれ。茅ヶ崎市出身。日本大学芸術学部在学中よりミュージシャンを目指すが、父の病により断念。その後、司会業やタレント業に従事する。また執筆活動にも着手し『伝説になった男~三沢光晴という人~』『怪談手帖シリーズ』などを上梓。4月27日には岩井志麻子氏との共著『凶鳴怪談』を出版。現在YouTube「徳光ちゃんねる」でも活躍中。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年8月17日掲載

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