「半沢直樹」と「水戸黄門」に見る共通点…♪人生楽ありゃ苦もあるさ〜

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続きものドラマであり1話完結型ドラマでもあり

 わかっていてもハラハラさせられる展開と安定感のある視聴率(第5話は25.5%)の日曜ドラマ「半沢直樹」(TBS系)。7年ぶり2度目で、またもや日本中をテレビに釘付けにしている。この社会現象について、勤め人になったことはないけれど、勤め人の知人はたくさんいる徳光正行が綴る。

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 前作も含めてなのですが、金融機関を扱った人間ドラマでここまでヒットしたことは素晴らしいと思います。専門用語が飛び交い、肩書きを表す字幕も多数並んでいて、集中して観ていないとチンプンカンプンにもなりかねないのですが、実は何となく観ていても人間関係、内容がスッと入ってくる。

 監督さんや脚本家さんを含めたスタッフの方々の大いなる熱量、そして出演者の皆さんから伝わってくる本気度が奏功したと同時に、見た目や喋り方で善悪がしっかりと分かれているという点も大きいと思いました。

 先ほど金融機関を扱った人間ドラマという表現を用いました。経済ドラマであるが故に社会人の、特に勤め人の皆さんが自らの現状などと照らし合わせ、半沢直樹の存在や言動に「痛快!」と膝を打ちながら、作品に賛辞を送ることは理解できます。

「理解できます」と言っても、私は勤め人になったことがないので説得力が弱くなってしまいますが、学生時代の友人で勤め人をしている者もたくさんおりまして。彼らと酒席を共にした時に、社会そして組織の話をよく聞きますもので、共感する部分が少なくないのです。

 もっとも、その勤め人の方々のみをターゲットにドラマを作っても、そこそこヒットこそすれど大ヒットに繋がるとは思えません。ほぼすべての世代を虜にしているからこその高視聴率。こんなドラマがなぜ生まれたのか?

 私なりの稚拙な考えですが、続きものドラマであり1話完結型ドラマでもあり、見逃したり途中からでも作品世界に入っていくことができる。視聴のハードルが下がっていることもひとつの理由と感じます。

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