高校野球交流試合がさっぱり盛り上がらないワケ 視聴率は例年の3分の1

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 夏の風物詩、高校野球の甲子園大会が幕を開けた。とはいえ、コロナ禍により中止となった春の選抜校による、各チーム1試合限りの交流試合である。しかも無観客での開催となった。その結果、視聴率は2~4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区:以下同)とさっぱり盛り上がっていないという。

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 民放プロデューサーは言う。

「8月10日、テレビ朝日の『羽鳥慎一モーニングショー』が12・1%と上昇し、翌11日には12・2%とさらに上げてきました。都内でのコロナ感染者数が連日400人を超え、また数字を上げたのかと思ったら違いました。よくよく見ると、NHK総合の『あさイチ』が高校野球に差し替えられて放送されていなかったんです。今年は事前の盛り上がりもなかったので、開幕日を忘れていましたが、どうやら『あさイチ』の高齢視聴者が『モーニングショー』に流れたようですね」

 そのせいか、NHKの視聴率は2~4%台を彷徨っているという。

過去には視聴率48%も

「夏の甲子園といえば、例年10%近い視聴率を記録してきました。注目の一戦ともなれば、20%超えは当たり前。例えば、2006年の決勝、駒大苫小牧VS早稲田実業、いわゆるマー君(田中将大)VSハンカチ王子(斎藤佑樹)は、延長15回引き分けとなった初日は33・7%、翌日の再試合では29・3%でした。1980年にアイドル的人気を誇った荒木大輔がエースの早稲田実業が横浜に敗れた決勝は39・9%。83年、KKコンビ(清原和博、桑田真澄)のいたPL学園が横浜商業を破って優勝した時は44・4%。さらに78年の決勝、PLVS高知商業でPLの逆転サヨナラ優勝まで遡ると48・0%という記録もあります」(同)

 今年の初日も鳥取城北高校に明徳義塾が、逆転サヨナラ勝ちしたが、

「視聴率は4・4%にとどまりました。翌11日も2・7~4・2%、12日は3・0~4・5%で、5%にも届かない状況です」(同)

夏の甲子園らしさとは

 やはり、今年は勝手が違う。新型コロナの感染拡大を防ぐため、春の選抜、夏の選手権大会のいずれも開催中止が決定した。日本高等学校野球連盟の八田英二会長の「選手たちには何らかの形で甲子園の土を踏ませてあげたい」との思いから、8月の開催を決定。もっとも、地方予選も行われないため、すでに決定していた春の選抜チーム32校による、交流試合という形になったのだ。

「勝っても負けても1試合で終わりですからね。やはり、負けたら終わりのトーナメントの真剣勝負じゃないと、感動を呼べません。もちろん、選手たちは一生懸命やっています。だけどテレビ的には、投げて打って走ってだけでは画が持たない。夏の甲子園の醍醐味といえば、大歓声とアルプススタンドです。美人の女子高生を見つけたり、『コンバットマーチ』に始まり『狙いうち』や『サウスポー』といった懐メロ的ブラスバンドは欠かせません。今年はいかにも暑くるしい学ラン姿の応援団や、かち割りを額に当てる観客もいない。最終の打者に神頼みする女子高生もいなくては、夏の甲子園らしさがない。うるさいと注意された習志野高校のブラスバンドが懐かしいほどです。それに、甲子園が開催されている中、各都道府県では独自のトーナメント大会を行っていますからね。独自大会の優勝校が甲子園に行けないというのも、なんだか虚しいですし」(同)

 13日現在、埼玉、千葉、神奈川、滋賀では独自大会の真っ最中だ。その4県を除くと、各都道府県の独自大会優勝校と、甲子園交流試合の招待校で重なるのは9校しかない(県立岐阜商[岐阜]は独自大会への出場を辞退)。

 甲子園の10日第1戦で大分商業(大分)を破った花咲徳栄(埼玉)は、埼玉に戻って12日に県独自大会の初戦を迎えた。甲子園で試合をして地元で再び試合とは、ちぐはぐである。

 また、15日に甲子園で倉敷商業(岡山)と当たる仙台育英(宮城)は、宮城の独自大会では優勝したものの、東北6県で争った東北大会の決勝(12日)では、聖光学院(福島)に8-0で敗れている。

「選手たちも気持ちの切り替えは大変でしょうが、視聴者だって甲子園での試合に集中できませんよね。たとえ無観客でも、独自大会の優勝校を集めて、夏の選手権大会をトーナメントで開催したほうがよかったんじゃないですか」(同)

 返す返すも高校球児たちが気の毒でならない。

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週刊新潮WEB取材班

2020年8月15日掲載