巨人は野手を投手で起用しちゃダメなのか論争…原監督の燃える闘魂、リアリズム

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「じゃあ、他のチームならやっても良いの?」

 古い慣習に囚われたオジサンとそうではない人々との論争にも思われた。巨人・原辰徳監督が相手チームに大量リードを許した状況で繰り出した「内野手の投手起用」。監督自身、繰り出したと言うほど練っていたワケではなく、負けゲームにわざわざ戦力である中継ぎ投手陣を浪費することはなかろうという判断だったのだろう。そもそも、起用された増田内野手はキッチリとゼロで抑えて起用に応えている。なのに結構な批判が舞い飛んだ今回の問題、原監督に「燃える闘魂」と「徹底したリアリズム」を見たと言う徳光正行が綴る。

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 プロ野球ペナントレースも開幕してから40数ゲームを消化し、完全な形ではありませんが少し落ち着いてきましたね。しかし本年のゲーム数は120試合で、大体の場合が月曜日のみ休みの6連戦を戦わなければいけない状態。ですから、今までのシーズン以上に首脳陣が的確な采配をするのは当然のうえで、選手層が厚いチームが有利に勝ち星を重ねていくのではと思いながら観戦しております。

 その采配の部分で物議を醸したのが、読売巨人軍・原辰徳監督の選手起用法でした。8月6日の阪神タイガースとの7回戦。11点ビハインドでの8回裏1アウトの場面で原監督がマウンドに送ったのは、内野手である増田大輝選手でした。

 実況の方も、そして解説を担当していた赤星憲広さんや金本知憲さんも大変困惑しておりましたが、マウンドに上がった増田大輝選手0回2/3を投げて1四球こそ与えたものの無失点でマウンドを降りました。巨人大敗で幕を下ろした試合でしたが、生観戦をなさった方やテレビでご覧になっていた方々は「珍しい光景を見ることができた」と思われたのではないでしょうか?

 しかし試合後、特にプロ野球OBの方々は黙っておりませんでした。特に元巨人軍エースで監督経験もある堀内恒夫さんや巨人軍OBであり西武ライオンズでも指揮をとった経験のある伊原春樹さんは、辛辣な言葉でその起用法を批判なさっていました。

 御二人がもっとも強調していたのは「巨人があれをやってはダメ」という部分でした。「じゃあ、他のチームならやっても良いの?」なんて突っ込みたくもなりましたが、彼らは「歴史と伝統ある王者巨人が邪道なことをするな!」となったのでしょう。

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