福島県の町役場で「人事予想」賭博 なぜか告発者も処分の顛末

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 福島県の鏡石町は、人口1万2千人ほどの小さな町。そこの町役場の課長人事を予想する賭博を行ったとして、役場の職員たちが処分されたのだ。賭けの企画者は副課長級の男性A。彼が業務用オンラインシステムで職員13人に参加を呼びかけると、9人が応じた。

「賭けは『人事ロト』と称し、役場にある11の課長級ポストすべての留任と新規の就任を含めた異動を予想するものでした。彼らは残業中に“4月1日付の課長級人事がどうなるか”の話題で盛り上がり、賭博を思いついたそうです」(鏡石町役場総務課)

 今年3月上旬から中旬にかけ、9人は予想を紙に記入し、役場内の倉庫に用意したバインダーに挟んだ。そしてその脇の箱に1口500円の賭金を投じたのである。金は総額1万円程度集まったというが、ほどなく副町長と総務課長宛てに匿名の“告発封書”が届き、コトが発覚。

 調査を進めた町は7月21日、11人の処分を発表した。が、ここで疑問。当事者は賭けを企画したAのほか参加者9人、計10人では?

「町がオンラインシステムを調べたところ、不正アクセスが発覚したのです」

 とは、ある町議会議員。

「不正アクセスしたのは課長級の男性でした。男性はある職員の不穏な動きに気づき、彼のIDでシステムにログイン。賭けの証拠を掴んで告発したのです。が、違法行為を知った場合は内部告発ではなく、正当に通報すべしという公務員の規則に違反したカドで、彼も処分を喰らいました」

 今回最も重い処分は「給与1割減×2カ月」。対象とされた2人が企画者Aと、ナントこの告発上司だった。

 いや、何とも締まらない話。他に遊興があったらネ。大体、仕事してたの?

週刊新潮 2020年8月6日号掲載

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