コロナ禍に菅官房長官が狙う「湘南美容」利権 幻冬舎・見城社長が繋いだ関係

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「計画は今も生きている」

 自宅で取材に応じた和泉補佐官に、「湘南美容グループ」がプレハブ宿舎で医療行為にあたるのか、と質したところ、

「それは一時あったんだけど、今は消えた」

――湘南美容といえば、美容整形が主体だが?

「実はすごく幅広くやっているらしくて、病院もやってるらしいよ。総合医療もやっている」

――菅官房長官と相川氏は懇意だと聞いたが?

「へえ、そうなんだ。それは知らない」

 要は「計画」はすでに過去のものとなっている、と言いたいようなのだが、

「計画は今も生きており、病院の中等症患者の受け入れが逼迫した時、実行に移されることになっている。菅さんが東京のホテル不足を繰り返し叩くのも、この計画にこだわっているからこそ、です」(前出の政府関係者)

専門家「間違いなくトラブルが」

 菅官房長官や相川氏にすれば、検査の拡充で東京都の感染者が再び増大し始めた今こそチャンスというわけだろう。現在、都内のコロナ患者の療養にあたっている東京都医師会の幹部はこの計画について「知らされていない」とした上でこう警告する。

「コロナの治療を『湘南美容』がやるなんて荒唐無稽。間違いなくいろいろなトラブルが起こりますよ」

 日本美容外科学会元理事長で日本医科大学名誉教授の百束比古氏は、

「『湘南美容』が新型コロナに関わろうとする理由は、美容外科医も医師であることを世間に理解してもらい、美容外科のイメージアップを図る狙いがあるからでしょう。そのような人的余裕があることは羨ましい限りです」

 と推し量るが、医療法人社団・形成会「酒井形成外科」の酒井倫明院長はこう“感心”してみせる。

「相川さんの、こういう時の機転の利かせ方はすごいなと思いますね。天変地異を利用してめきめきと伸びていくといいますか……。ただ、これは人命にかかわることですから、なぜ相川さんのところがやるのか、納得できるだけの説明が必要だと思います」

 悪夢のような計画が実行に移される日が来ないよう、祈るしかあるまい。

週刊新潮 2020年8月6日号掲載

特集「『菅vs.小池』暗闘の裏に『湘南美容』コロナ利権」より

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