「NiziU」は大丈夫? 末期がんの父にも会えず…24時間合宿K-POPアイドルの悲痛

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事実上、兵営文化のなごり

 今回はクォン・ミナの暴露でAOAが注目されたが、過去にはT-ARAのメンバー間によるいじめや、BEASTメンバー間の不和説など、問題が表面化したアイドルグループもおり、K-POPアイドルグループの闇は深い。

 これらの波紋と関連して芸能界関係者は、オーディションを通じて合格したアイドル練習生たちが、子供の頃から合宿生活を通じてスパルタ式の歌とダンスのレッスンを受けるK-POPアイドル育成システムの暗い負の部分を指摘する。

 合宿訓練について芸能関係者A氏は「メンバー同士、共に苦労して友愛を育んでいく場合も多いが、練習生の頃から過酷なオーディションを受け、ライバル関係でもあるだけに、デビュー当時から仲が悪いメンバーも存在する」と明かす。また、「一緒に生活するということは、24時間一緒にいて、食事やトイレ、風呂を使用し、一緒に寝るのだから、トラブルが起きるしかない構造」だとし、個々人が共同生活をする煩わしさについて説明した。

 アイドル練習生同士の争いの仲裁に入ったことがある芸能事務所関係者のB氏は「個人面談を定期的に行ってトラブルを聞くことが多い」とし、「メンバーの親から聞くこともある」と言う。しかしながら、これらの「面談」や「対話」では事態を把握するに留まり、心理治療や相談に繋がらないのが実情だ。

 その一方で、さる評論家は「少ない人員の練習生で息の合ったパフォーマンスを見せるために合宿生活を行い、リーダーを決める。個人所有物の持ち込み禁止や門限など厳しい規律を作り、それを破ると罰を受けるのが韓国のアイドル産業構造だ。事実上、兵営文化のなごり」と構造的問題にも言及する。

 クォン・ミナは暴露文で「膵臓癌を患う父親がいても、メンバーたちに迷惑をかけるという思いから、満足に見舞いに行けなかった」と告白した。華麗なアイドル活動の成功と引き換えに、合宿訓練を強要する所属事務所は、かれらを人としてではなく商品と捉え、不和が存在しても傍観してタッチしない。K―POP市場をリードしているアイドルスターへのより積極的な関心と支援なくしては。第2、第3のクォン・ミナが登場するだろう。

張惠媛(チャン・ヒェウォン)
建国大学広報大学院でジャーナリズムの修士号を取得、漢陽大学政治外交学科大学院で国際政治を専攻。世界日報デジタルニュース部で時事、問題、エンターテイメント記事に関連。その後、東亜日報、KBS、韓国経済の記事編集に携わる。現在フリーで記者活動を意欲的に継続中。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年7月9日掲載

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