北朝鮮、中国の香港への暴挙に熱狂…背景に韓国人への思想改造プランが

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労働党機関紙が快哉を叫ぶ「重大な社会実験」

 中国政府は6月30日に香港国家安全維持法(国安法)を突然発表し、7月1日から本格的に実施した。この事態を欧米諸国とは別の角度から眺めるのが、他ならぬ北朝鮮。北は、中国が一国二元体制の香港をどのように吸収するのか、興味深く見守っている。今後、北が韓国を侵攻し、吸収するという野望を実現する際に、必ず経なければならない政治的課題だからだ。北で博士号を取得した北専門家によるリポート。

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 思想や理念、価値観が異なり、自由奔放で扱いにくい香港人を中国化するため、どのような暴政が行われるのでしょうか。どのような抵抗に直面し、最後にどのような結末が用意されているのでしょうか。

 北朝鮮の立場で言えば、中国のおかげで、韓国赤化統一の経緯を実際に見聞できるということになります。だから当然、香港の今をすべて注視し、研究しているはずです。

 その根拠として、朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は7月2日という迅速なタイミングで、香港に関する2件の記事を出しました。「中国に対する圧迫攻勢は失敗を免れないだろう」「中国で香港特別行政区国家安全守護法の採択」です。香港と中国の国家安保のための中国人民の闘争を、全面的に支持する内容で一貫しています。

 筆者は北朝鮮時代、朝鮮労働党学校で働いていました。学校は、北朝鮮の中央と地方の党と愛国青年同盟の幹部を育成する党幹部養成機関です。同時に現職幹部を再教育し、将校除隊軍人の社会定着教育や、また韓国との赤化統一の一躍を担う次世代幹部を体系的に育成・教育しています。研究者もいます。

 そこでやっているのは、北朝鮮が韓国を武力統一ないしは吸収統一した時のことです。韓国国民を北朝鮮体制へ短時間でどのように同調・順応させ、“おとなしい羊”にするかという「南朝鮮住民の愚民化政策」。人間改造の可能性を追求していると言い換えられるでしょうか。5000万の韓国人はそれぞれ個性があり、抵抗意識と行動が一体化し、世界的に開かれた意識レベルを持っているだけでなく、個人中心主義が身に染み込んでいて、彼らに果たして北朝鮮式の思想改造、人間改造をしっかりできるのかという問題です。

 韓国の人々をどうやって、ひれ伏し、死を恐れず、素直でどんな苦痛にも黙々と耐えて、言われた通りに従う人間ロボットにするのか。もっともどれだけ多くを研究しても、実際に社会実験を行わない限り、研究結果の確信性と実践性は担保できません。そういった中、北朝鮮が求める重大な社会実験を、中国が香港で行っているのですから、北朝鮮が多大な関心を寄せないはずがないのです。

 では、北朝鮮は香港の事態を通じて、どのような点を確認したいのか。第1に、暴政に対する香港人の抵抗です。香港の人々は、155年は英国の自由民主体制で、その後23年は中国の「一国二元体制」で暮らしていたため、日本や韓国国民に劣らない自由民主主義の思想が身についています。彼らの思想と理念、価値観は中国人のそれとは完全に異なります。日本と北朝鮮の人々の頭の中が異なるようなものです。

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