巨人「原監督」の賭けゴルフ、球団コーチとも 犯罪的“握り”をメンバー告発

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「ラスベガス」にからくりが

 とはいえ、原監督の“主戦場”は身内相手のコンペではない。さきのラウンド仲間がすさまじい内幕を明かす。

「私が知っていた飲食チェーンの社長が原監督とも懇意にしていて、その縁でプレーするようになりました。当時、原さんは2度目の監督を務めていた時期。ゴルフ場は、おもにその社長が会員になっている千葉や茨城などのコースで、私が連れてきた友人と4人で回ることが多かった。時期はいつも秋季キャンプが終わってから1月末までで、多い時は1年に2~3回はご一緒していましたね」

 監督の腕前は、ここでも突出しており、

「当時でハンデ1でしたし、その飲食チェーンの社長もエイジシューターだったから、一緒にプレーするには80前後で回らないと勝負にならない。私は毎回、それなりの腕をもつ友人を連れて行かなければなりませんでした」

 なぜなら、およそ一般常識から大きく乖離した額の現金が動いていたからである。。

「原さんとプレーする時のルールは、一般に『5・10・2(ゴットーニ)』と呼ばれるものでした。ストローク1打につき5千円。18ホール回って、10打差がついていたら5万円の負けです。そしてホールごとの勝敗が1万円。全部負ければ18万円になり、あとはハーフの勝敗ごとに2万円というわけです。ただ、これだけでは負けても大してかさみません。問題は、さらに『ラスベガス』というルールが加わることなのです」

 ゴルフの賭け方にはさまざまな種類があるが、中でもこの「ラスベガス」は最もギャンブル性が強く、点差もつきやすいルールだという。具体的には、1番打者と4番打者をペア(A組)にし、2番と3番が組む(B組)。A組が3打と4打で上がれば、多い方を1の位にして「34」とする。一方のB組が4打と5打だったら、「45」となり、その差は11。ただし、

「片方の組がダブルパー(パー4なら8打)を叩いてしまうと、一の位と十の位をひっくり返さなければならない決まりです。つまりパー3のホールをA組が3、6で上がると、本来は『36』のところが『63』になる。原さんとのゴルフではラスベガスは1打千円だったから『ゴットーニ』と合わせて100万円近くが動いていました」

 その上、恐ろしいルールが適用された。本来、ゴルフでは前ホールでの成績順にショットするのでペアが入れ替わり、スコアが均衡化される。ところが、

「数年前から、ラスベガスのペアが原さんとそのエイジシューターの社長とで固定されてしまったのです。本来はおかしな話なのですが、完全に“チーム制”となってしまい、私は自分の連れと組むしかなく、ますます上手い相方を呼ばなくてはならなくなった。そんなわけで、私や友人などは毎回、手元に100万円ほど用意してプレーに臨んでいましたね」

 つまりは“いんちきラスベガス”を仕掛けられたというわけだ。まことに災難というほかないのだが、それでも賭け金の支払いは、「現場精算」が決まりだったという。

「大体いつも原さんが勝つので、私たちはクラブのレストランで、現金をタオルやノートで包んで、周りに見られないようテーブルの下からこっそり手渡していました。勝った時の原さんは上機嫌で、プレー代を出してくれたり『何でも好きなもの食べてよ』と、食堂でご馳走したりしてくれた。お土産に、球団ショップで売っているような自分の色紙やサインボールも持ってきてくれましたが、そんな市販品は味気ないから、私は無地の色紙を20枚ほど持参し、その場でサインしてもらっていました」

 監督はもっぱら、にこやかに応じていたというのだが、

「ごくたまに原さんが負ける日があって、そんな時は負け分を自分で払おうとしませんでした。クラブハウスにも寄らず、『これから用事があるから』などと不貞腐れ、持参したサインボールも配らずにさっさと帰ってしまうのです。代わりに社長が『これ、監督の負け分』と、こっそり包んで渡してくれました。せっかく原さんを負かしたのだから本人から受け取りたかったのですが、根っからの勝負師なのでしょう。負けると子供のように機嫌が悪くなっていましたね」

(2)へつづく

週刊新潮 2020年7月2日号掲載

特集「メンバーが“犯罪的握り”を告発! 『原監督』常軌を逸した『賭けゴルフ』」より

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