電子顕微鏡で実力判定「アベノマスク」はウイルスどころか飛沫も…

国内 社会 週刊新潮 2020年7月2日号掲載

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 6月15日、厚労省は、布マスクの配布が概ね完了したと発表。しかし、さまざまなマスクが市場で選べる今、アベノマスクをあえて使うのはアリなのか? 電子顕微鏡で撮影し、“防衛力”を検証してみると……。

 掲載写真右の2枚は政府配給の布マスクと、コンビニや量販店に並ぶ一般的な不織布マスクの100倍画像だ。掲載写真左下の不織布マスク5千倍画像を見ると、0・1マイクロメートル(1マイクロメートル=0・001ミリメートル)のコロナウイルスは網目より明らかに小さいが、飛沫(約5マイクロメートル)は繊維に引っ掛かりそうだ。

 公衆衛生学を専門とする聖路加国際大学の大西一成准教授に話を伺うと、

「不織布マスクは、ウイルス単体だと通り抜ける可能性がありそうですが、空気感染のリスクは低く重要なのはウイルスを含んでいる飛沫を防ぐことです。その点、このフィルターは医療従事者が使用しているN95マスクと比べても遜色なく、人間の呼吸量であれば飛沫をほぼカットできる。ただ、やはり顔とマスクの隙間からの出入りは防げないので注意が必要です」

 一方のアベノマスクは、網目の大きさが100マイクロメートル以上もあり、ウイルス、飛沫はむろん、それどころか30マイクロメートルの花粉ですら素通りしてしまう。ガーゼが15枚重なってはいるが、果たしてフィルターの効果はいかに?

「15層あっても飛沫は防ぎきれないですね。既に私の実験で、飛沫の90%が通過してしまうことも判明しています。さらに、布マスクは顔にフィットしにくく、隙間が大きく開いてしまうこともある。不織布マスクをお持ちであれば、そちらをおすすめします」

 飛沫による“感染リスクも防げない”となると数百億の税金が全くの無駄だった。それでも配布の遅延は、国民に使う隙を与えず、感染拡大防止に一役買っていたのかも。