岐阜「金津園」で出稼ぎ禁止令 神奈川の女性がコロナ感染、組合はすぐに対応するも…

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 6月9日、岐阜県岐阜市は、20代の女性が新型コロナウイルスに感染したと発表した。現在までに、女性が「岐阜駅周辺の風俗店」勤務であることや、神奈川県と岐阜とを行き来していたことも明らかになっている。

 店名や具体的な職種については伏せられているものの、「岐阜駅周辺の風俗店」といえば、西日本最大級のソープランド街・金津園を誰もが連想するだろう。コロナ陽性を受け、岐阜特殊浴場防犯組合では〈新型コロナウイルス感染症患者発生の件〉と題する文書を、6月11日前後に、組合に所属する各風俗店に通達している。

 文書には〈神奈川県も東京都もまだまだ新規の患者が発生している地域です。そのような地域からの従業員の受け入れは控えて頂くようにお願いします〉と記され、事実上の“出稼ぎ禁止令”が出たと言える。同時に〈「岐阜駅周辺の風俗店に勤務の女性」という事以外、公式に場所及び人物の特定はされておりませんので、組合として発表できる事はありません〉ともある。

 これについて岐阜県特殊浴場防犯組合の組合長は、次のように答えた。

「岐阜県では5月15日をもって緊急事態宣言が解除され、私どもも営業を再開しました。コロナ対策がマニュアルにのっとって行われているか、県のほうから確認するよう要請があったので、その目的で文書を出したまでです。その際に組合の役員会で『受け入れは控えたほうがいいんじゃないか』との意見があったので、控えて頂きたい旨も併せて載せました。こちらは組合ですから、強制力はありません。あくまで組合員への“お願い”です」

 感染者について公表されている情報は、あくまで女性が「岐阜駅周辺の風俗店」勤務だったというだけ。組合として金津園勤務だったか否かについて明言しないのだが、さる金津園の関係者は言う。

「感染していた女性が、ソープランド『X』(仮名)の子だったことは、みんな知っていますよ。神奈川県からの出稼ぎだったという情報と、報じられた〈6月5~7日は勤務していた〉というスケジュールから特定され、ボーイさんの間で噂になっていましたから。『X』は2011年頃から営業している格安店で、料金は1時間2万円ほど。ノースキン(避妊具を付けずに性行為を行うこと)を売りにしている店です」

 こちらの「X」、関係者の間ではあまり評判がよろしくないようだ。

「金津園って、他のソープランド街よりも性病検査が厳しく行われているほうです。『X』のようなノースキンの店の場合、通常は月2回、中には月4回、検査を行うところもある。ところが『X』は、ぜんぜん検査しない。数年前から、梅毒になる女の子が多く出ているんですよ」(同・関係者)

「X」は、東京・歌舞伎町のスカウト会社が立ち上げた店だ、という話もある。それゆえ、どんどん新しい女性が店に送り込まれるのだが、彼女たちはきちんとしたケアを受けられず、いわば“使い捨て”状態になっているというのだ。そもそもスカウト経由で女性を斡旋する行為は、管理売春になるのではとの問題もある。こうした劣悪な環境では、新型コロナウイルスの感染対策もしっかりと取られていなかったであろうことは、想像に難くない。

 コロナ発生を受けての店の対応にも、関係者は不満を募らせている。

「『X』のほうから『うちで出ました』と公表してくれればいいのに、それをしないんです。おかげで金津園の風俗店すべてが『この店でコロナが出たのではないか?』と疑われ、迷惑しています。そのくせ、ほぼシステムが同じ『X』の系列店は、今も営業中。こちらもスカウト経由での出稼ぎの女の子が多くいた店です。系列店同士でスタッフの行き来はザラにありますから、下手をしたらクラスターが起きかねませんよ」

 さらに「出稼ぎ禁止令」を出した組合にも、こんな事情があると明かす。

「実は、組合長は4月末に交代したばかり。周囲に“示し”をつけるために、“出稼ぎ禁止令”を出した事情もあるようです。あとは、東京で緊急事態宣言が発令された後、金津園への出稼ぎを推奨するような求人を出した不謹慎なグループもあった。そういった店にクギを指す意味もあったのでしょうね」(同・関係者)

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