「コロナ抗体検査」を受けてみた PCRより手軽な対抗力チェック

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「キットの取り合い」

「感染初期に作られ始める抗体がIgM、感染後数日から2週間程度するとIgGという抗体が出現します。二つのシートでそれぞれを調べるのです」(先のジャーナリスト)

 結果は15分ほどで分かる。本誌記者の場合はいずれの抗体も、“陰性”だった。

 つまり、心配された症状は新型コロナウイルスによるものではなかったわけだ。

 診察したドクターが言う。

「こちらでは500人ほど検査して陽性率は3~4%でした。抗体保有者が陰性と判定される“偽陰性”の可能性はかなり低いので、過去に発熱があって不安な方にお勧めです」

 同様に検査を実施しているナビタスクリニック理事長で内科医の久住英二氏はこう指摘する。

「4月にホームページで募った202人を対象に抗体検査を行いました。医療従事者も含まれまして、202人のうち、1カ月以内の発熱者が52人、コロナ陽性者と同居している方が2人。検査当時はほとんどの方が無症状だったのですが、一般市民で4・8%、医療従事者が9・1%、全体で5・9%の人が抗体を保有しているという結果でした」

 希望者が多かったゆえ、このクリニックでは一時的にキットの在庫がなくなるほどだった、と続ける。

「いま世界中で抗体検査のキットの取り合いになっています。5月に入ってようやく検査予約を再開しました。日本はもともとPCR検査数が少ない。海外で行われているように、抗体検査を広くやれば、どれだけ感染が広がっているのかという実態がわかります。本来はその数字をもとに政府は対策を立てるべきです」

 PCRに比べて手軽な抗体検査の費用は数千円から。キットにより精度の差はあるというが、自身にウイルスに対抗する力があるか、その可能性を知りたい方は検討してみてはいかがか。

週刊新潮 2020年5月28日号掲載

特集「『コロナ』虚飾の王冠」より

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