ビートたけしの元弟子“公開侮辱”を垂れ流したTBS 愛人妻の保険証詐欺をめぐり

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 絶大なる発信力を誇るビートたけし(73)。落ちたりとはいえ、やはり圧倒的な影響力を持つテレビ局。両者が組み、たけしの「愛人妻」に関する告発者を公開侮辱した。それは弱い立場の元弟子という「いかだ」を、戦艦2隻で蹂躙するが如きリンチではあるまいか。

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 5月2日、安住紳一郎はビートたけしとともに「新・情報7DAYS ニュースキャスター」の冒頭で、以下のやりとりを披露した。

たけし「元弟子が売れてえんだか何だか知らねえけど。俺は保険、年間160万円も払ってんのに。今、怒ってんだけど」

安住「なんか週刊誌の記事ですよね」

たけし「ああ、元弟子がね、俺のネタを売って食ってんだよ。腹立ってさ」

安住「私も記事読みましたけど、お弟子さんが自分の保険証を使って、たけしさんが診療したということにして薬をもらっていたと」

たけし「いや、もともと俺の保険証あるし」

安住「たけしさんは思うところはないということですよね」

たけし「俺知らねえもん」

 ここでいう「週刊誌の記事」とは、本誌(「週刊新潮」 5月7・14日号)の〈「ビートたけし」愛人妻の「保険証詐欺」〉と題された記事を指す。当該記事には元弟子の証言を裏付ける「証拠資料」が載っていたこともご存じのはず……。

その上で、安住氏がたけしの一方的にして元弟子を侮辱する弁明の垂れ流しを「サポート」したということは、元弟子の証言は信用に足らないと取材に基づいて判断したのだろう。なにしろ「報道のTBS」である。

 ことはたけしが絡んだ「保険証詐欺」という犯罪に関する重要案件。取材もしないで、ましてや元弟子の言い分を訊(き)くこともなく、たけしに元弟子を口汚く罵らせるなんて、公共の電波としては怖くてできないはず。だが、

「TBSさんから、私のところに取材はありませんでした」(元弟子)

 テレビ局の「お得意様」であるたけしのご機嫌を損ねるわけにはいかず、たけしの言い分“だけ”を放送しなければならないとは、安住氏の心中もお察しするというもの。しかしその殿が、かつての姿とは違い、志村けんの十八番だった「何とか殿」を地でいく姿に堕していないかだけは確認しておくべきである。「報道のTBS」の取材力を駆使して――。

 週刊新潮は5月7・14日号で、たけしの18歳年下の愛人妻、横井喜代子氏(仮名)が「主導」した「保険証詐欺」について報じた。まずはその詐欺について振り返っておく。

 先の番組で、理不尽な形でいかにもあくどそうな元弟子に仕立てあげられたのは石塚康介さん(42)という男性である。彼は2010年1月、殿ことたけしに弟子入りし、翌年6月から昨年7月までの8年間、たけしの運転手を務めてきた。

 最も身近でたけしに仕えてきた彼は、13年にたけしが横井氏と出会って以降、彼女に「洗脳されていった」(たけしを知るテレビ関係者)殿の姿を目の当たりにしてきた。石塚さん自身も、横井氏から度重なるパワハラを受ける。そこで彼女の真の姿を知ってほしいとの思いから石塚さんが告発したのが、たけしの保険証に関する詐欺だった。

 ある時、石塚さんは殿の愛人として絶対的な存在と化していた横井氏から、「彼(たけし)の薬が欲しいから保険証を使わせて」と命じられる。彼女に逆らうことができなかった石塚さんは都内の医院に赴き、自分の国民健康保険証を使ってたけしの薬を処方してもらう「悪事」に手を染めてしまう。これは「保険証のなりすまし使用」にあたり、厚労省国民健康保険課が、

「他人の保険証を意図的に、本人になりすまして使用したことが事実であれば大問題です。刑法の詐欺罪が適用されることになるかと思います」

 こう警告する、れっきとした犯罪行為だった。

 しかも、石塚さんが一度も診察を受けたことがない問題の医院で、何度も彼の保険証が使われていたことが判明。その回数は少なくとも実に45回に及んだ。石塚さんが他人に保険証を貸したのは横井氏に命じられた時のみ。すなわち、石塚さんに「なりすまし」て保険証を不正使用できたのはたけし、実質的にはそれを命じた横井氏だけだった。

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