消滅危機「美空ひばり御殿」はどうなった? 長男の借金問題は新局面に

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 連休が明け6月に入ると、今年も「御嬢(おじょう)」の命日がやってくる。東京・目黒区の美空ひばり記念館(ひばり御殿)は、国民的歌手だった彼女に“再会”できる場所だ。もっとも、今は改装中とあって静まり返っているが、どこか活気が感じられないのはそれだけが理由ではあるまい。重くのしかかる借金問題が新たな局面を迎えているのだ。
 
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 美空ひばりの長男である加藤和也氏(48)が、記念館を14億円で売りに出していたと本誌(「週刊新潮」)が報じたのは昨年暮れのこと。

 折しも紅白歌合戦では、AIで蘇らせたひばりの新曲が話題になっていたが、「ひばりプロダクション」の台所は火の車だった。記念館には高利で知られる不動産金融「アサックス」から8億円の根抵当権が付けられ、加藤氏が住む世田谷の億ションも共同担保に入っていた。また、昨年11月には別の金融業者からも年利15%もの金利で2千万円を借りており、資金繰りの苦しさは明らかだった。

 ところが加藤氏は、売却話は無くなり、そして借金も返済のめどがついたと言うばかり。いわく、

〈高利の融資を受けていたのは、以前から進めていた事業計画が銀行の審査を通らなかったため。それがここにきて、銀行が事業計画を認めて貸してくれることになったのです。(中略)苦しいところを乗り越えられたので、正直ホッとしているところなんです〉

 しかし、加藤氏の周辺からは、まったく違う話が聞こえてくる。

「加藤さんは、8億円の金利が重すぎるため、都内の大手信金に借り換えの融資を依頼していたのですが、結局、審査を通らなかったのです」(美空ひばり記念館の関係者)

 そこで、改めて記念館の登記簿謄本を見てみると、意外なことが記されているではないか。

無利息の理由は

 まず、記念館に付けられている8億円の根抵当権はそのままである。一方、昨年11月に借りた2千万円はすぐに返済したものの、12月25日に個人から新たに4500万円を借りている(金利15%)。つまり、借金が2500万円増えていたのだ。そして、1月に「ZAC」という会社から同額を借り換えていた。ただし、何故か無利息だ。

「ZACはコンサルやイベントを手掛ける会社で安室奈美恵の中国公演を仲介した実績もあります。同社はひばりプロダクションに役員を入れることを条件に無利息で4500万円を貸したそうです」(同)

 そこで、加藤氏の自宅を訪ねると、代わって夫人(ひばりプロダクションの取締役)が答えるのだ。

「(ZACから借金することになったのは)美空ひばりの3Dホログラム映像に関心を持って頂いたからなのですが、一緒に事業をやる話は無くなってしまいました。だから、先方は経営にも参画していません。借金も登記簿には“無利息”と記されていますが実際には1%ほど払っています」

 今どきそんな虫の良い条件で大金を貸してくれる相手なんているのだろうか。

 とまれ国民的歌手の聖地は、いまだ安らかではない。

週刊新潮 2020年5月7・14日号掲載

ワイド特集「コロナの陰に『オンナの事件』」より

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