突然決まった理美容業界への給付金の背後に「小池知事の恐怖政治」 自民党は激怒

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都議の“告発”

 時事問題の署名原稿を掲載するサイト「アゴラ」で、自民党で墨田区選出の川松真一朗都議(39)は5月5日、「コロナ対策に名を借りた都庁のモラルハザードが進む」の記事を投稿した。

 川松都議は理容・美容業界に営業の自粛を要望したことと、給付金の支給自体には理解を示しながらも、《(福岡県の美容室で)クラスターが発生したとしながらも手を打たなかった都がこの残り1週間で突然着手したのか不思議な感じをします》と、急激な方針転換に疑問を投げかけた。

 記事の冒頭には《本件は都議会自民党幹事長、政調会長記者会見で強く主張しましたがマスコミが取り上げないので私が腹を括って書きます。どうぞ宜しくお願いします》という一種の“決意表明”が書かれている。

 川松都議の“告発”はこうだ。理容と美容の業界団体は当初、自民党と公明党に陳情していたのだが、都職員の幹部に「要望書は都民ファーストにも送ったほうがいい」と助言されたというのである。

《都民ファーストの会議員から業界団体に、自分たちの所にも来て欲しいと何度か連絡があったそうですが、元々付き合いもないし、協力金対象も難しいから「行かない」という決定をしたそうです。ところが、東京都の担当部局から業界の事務局にわざわざ「都民ファーストへ要望したか?」という電話もあったのです。

 この時点で、業界団体側は、都民ファースト側のアプローチも含めて、政治事情に巻き込まれる恐れから、先に相談をしていた公明、自民への要望も取り下げるという腹を決めていたそうですが、さすがに都庁担当部長から電話があった事を重く受け止めて、28日の19時頃に関係者のハンコを集めて、代表者が都民ファーストの会へ持っていたのです。

 そして、この要望がなされたという「事実」を待ってか、20時半過ぎという、国との調整を終えて、発表出来る状態になってから約6時間後の就業時間外に突如として給付金が発表されたのでありました》

 川松都議は、この経緯を《明らかに、これは行政の政治介入》と指摘し、以下の可能性があると批判した。

《都民ファーストの会は、これまで一方的に既存の都議会は業界団体との癒着だと批判を展開しておきながら、私達、自民党でも考え付かないような強引な手法で団体への利益展開をしていた》

 問題を重く見た自民都連は、鈴木章浩幹事長(57)の名前で4月30日、小池百合子都知事(67)に「緊急事態措置期間の自主休業給付金についての申入れ」という書面を提出し、以下のように批判した。

《突如として支給の対象とするものであり、事前に都議会に説明もなく、明確な根拠もありません》

 更に文書は、そもそも自粛要請の対象ではなかった理容・美容業界に給付金を支給するのなら、同じように対象外となっている歯科、飲食店、ホテルなどにも支給を拡大すべきだと訴えた。

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