7人が証言するコロナからの生還 症状は“千本の針で刺されるような腰痛”

国内 社会 週刊新潮 2020年5月7・14日号掲載

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私はこうしてコロナから生還した(前編)

日毎に増え続ける患者たちは、重症化の恐怖に耐えながら闘病を続けている。今そこにある危機を乗り越える“生きたバイブル”として、コロナから生還した7人の証言に耳を傾けてほしい。

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 神奈川県在住の男性(35)が身体に不調を感じたのは3月30日のことだ。

「朝起きた時に、軽い頭痛と腰の周りに重りをつけられたようなダルさを覚えたんです。翌日には体温が37・5度まで上がったものの、早退して市販の風邪薬のベンザブロックを飲んだら熱がひいたので以降も仕事を続けました。ただ、4月3日の朝に飲んだオレンジジュースの味がおかしかったんですね。甘みも酸味も感じなくて、水で10倍に薄めたみたいだった。その時に初めて、コロナ感染を疑うようになりました」

 コロナ闘病を体験した人々に尋ねると、初期症状として共通するのは発熱や倦怠感、下痢、そして、味覚・嗅覚の変化である。

 たとえば、〈口から鼻に抜けるような化学薬品の“ツーン”とした臭いを感じ、麦茶が信じられないくらいマズかった〉との証言があれば、〈いつもなら途中でスプーンを置くような、山椒の利いた辛い麻婆豆腐をすいすい食べ切ってしまった〉という人もいる。

 そして、味覚や嗅覚に異変が生じるのと時を同じくして容体が急変するのだ。

 先の男性も例に漏れず、

「翌4日に症状が一気に悪化しました。激しい頭痛に吐き気、大量の汗。加えて、ひどい眩暈(めまい)に襲われてトイレにも這って行くような有り様でした。耐えられずに救急車を呼んだところ、藤沢市内の病院に運ばれてPCR検査を受けることに。ただ、検査の2日後に“陽性”という結果が出るまでは自宅待機を言い渡され、しかも、延々と同じ症状が続いたんです。あまりに苦しくて病院に連絡しても、ベッドが足りないので入院を断られ、“なんとか市販薬でしのいでください”と。さすがに心が折れそうでしたよ……」

 男性はその後、どうにか入院することができ、症状も改善したことで現在は退院している。

 だが一方で、入院治療を受けることができないまま、長期の自宅療養を余儀なくされる患者も少なくない。

 たとえば、家族と離れて、都内のマンションで隔離生活を送る会社経営者(42)。

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