動脈硬化、コロナ太り、そして感染症に「このワインが効く」フランスのリスト

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やってることは迎え酒?

 Stay Homeなゴールデンウィークだから、人それぞれ制限された中でストレス解消するしかない。そもそも在宅勤務で家飲みの毎日。ついつい酒量が増えたという方も多いのでは? そんなお酒好きなあなたが自己正当化できそうなお話を。

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 吉田兼好が徒然草に『百薬の長とはいへど万の病は酒よりこそ起れ』と記していようが、そこはスルーするのが酒飲み。話をワインに絞れば、古くから医療においても使われてきたのは間違いないようです。

『医学の父』ともよばれる古代ギリシアの名医ヒポクラテスは、病気の治療にワインを積極的に用いていたようです。それまで病気の治療といえば祈祷や呪術だった時代に、現代医学の礎を築いた人物がワインを活用していたとは! 酒飲みにとってこれ以上の後ろ盾はない。

 彼は利尿薬として白ワインを、下痢止めには渋い赤ワインを用いた他、解熱や消毒にもワインを使っていたそうです。そしてワインの持つ疲労回復効果も認めていた。もちろんこの疲労回復効果はアルコールに弱い人からしたら拷問。飲める人でも、極楽気分でブレーキが効かず飲み過ぎたら意味がないのですが。

 ヒポクラテスはまた、リキュールの起源とも言える、ワインに薬草を溶かし混ぜた薬酒を初めて作ったとも言われています。もっとも、現代のリキュールはワインではなく蒸留酒がベースですので、厳密には現代のリキュールとは別物なのですが、後にヨーロッパに数多くの薬草系のリキュールが生まれるきっかけとなったことは間違いないでしょう。実際に中世ヨーロッパでは、修道院で作られた薬草系リキュールが薬として使われるようになります。

 個人的には、二日酔いになるとドイツのウンダーベルグというリキュールをソーダで割って飲んでいた時期があります。19世紀にできたリキュールですね。飲み過ぎて辛いはずなのに、これを飲むとなんだか少し復活できたような感覚がありました。

 やってることは迎え酒。それでも、苦い薬草のエキスでスッキリできた。これはまさに薬酒で、ハーブや薬草のエキスが抽出されている。だからそれなりの効果の裏付けがあると思うのですが、一方、全く根拠があるとは思えないリストが昔のフランスには幾つかありました。

 リストには、「この病気にはこのワインが効く」という風にラインナップされているわけです。極めて私的に作っていたと思われ、是非とも真に受けないで欲しいのですが、酒を飲む上でのある種の大義名分にはなるかもしれません。突っ込みどころ満載のその一部を紹介すると……。

【アレルギー症状】メドック地区のワイン。1日の摂取量はグラス1杯
 有名なボルドーの赤ワインですね。 ボルドー市から北北東に、大西洋に流れるジロンド川の左岸。5大シャトーの内、ラトゥールにラフィット、ムートンにマルゴーと4つがメドック地区に蝟集しています。

 カベルネ・ソーヴィニョン主体で造られるワインが多い産地です。醸造技術や設備の進化で1990年前後からはきめ細やかな渋みの柔らかいタッチのワインが造られるようになりました。他方、それ以前はかなりしっかりとした渋みが特徴でした。

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