アベノマスク、5番目の会社「シマトレーディング」の“恥ずかしい過去”

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ケニア産のバラなどを輸入

 なかなか判然としなかった「アベノマスク」4番目の製造企業。それが福島市の「ユースビオ」だと判明した。更に28日、5番目の会社が明らかとなったが、新たな火種となるか?

 4月28日に開かれた、新型コロナウイルス対策などに関連する補正予算案を審議する衆院予算員会。立憲民主の大串博志議員は加藤勝信厚労相を相手に、政府からの発注時点で「ユースビオ」の定款には「布マスク」に関する記述がなかったこと、かつ「随意契約」であることについて質していた。

 実際にユースビオは、「ファクタリング業や貿易及び輸出入代行業並びにそれらの仲介及びコンサルティング」などの項目を追加し、4月10日に登記を変更している。

 その質問の中で、加藤厚労相からはこんな答えが飛び出した。
「輸出入をするもうひとつの会社と一緒になって契約額が5・2億円。従って輸出入についてはその会社が担っていたと聞いております」と述べた。

「初めて聞きました」と色めき立った大串議員。無理もない。
加藤厚労相はその「輸出入を担っていた会社」について、「シマトレーディングという会社でありまして、ユースビオはマスクにおける布の調達、あるいは納品時期等の調整。いま申し上げたシマトレーディングは生産輸出入の担当をされていた」と答えた。

 大串議員は「今になって新しいことが言われて、極めて不透明な感じがする」と畳みかけたのだが……。

 加藤厚労相が口にした「シマトレーディング」はどんな会社なのか。ホームページには、〈1980年切花の輸入を開始いたしました。シンガポール産の蘭から始まり、年を追うごとに商品の数は増え、現在は500を超える切り花、葉類を取り揃えております。一年を通して新鮮で高品質な商品を世界各国から輸入しております〉とある。

 ケニアやインド、オランダ産のバラやコロンビア産のカーネーションなど、美しさを競うように写真が並んでいる。ここ数年の売上高は13~16億円で推移している。

 それはともかく、生花などを扱う業者がどうしてマスクにかかわるの?というのは疑問ではある。実際にシマトレーディングに聞いてみると、
「元々、ユースビオの社長さんとは付き合いがあります。私の母方の親戚に当たるんです」
 と話すのは、同社の取締役の島健太郎さん(38)。島正行社長の息子でもある。

「ユースビオの社長さんから、(マスクをやることになったので)通関業務をお手伝いしてもらえませんかという声掛けがあった、それだけです。ウチもこのコロナの件で開店休業状態が続いているのも事実です」

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