「麒麟」「ポツン」「イッテQ」が近年稀に見るハイレベルな戦い 最後に笑うのは?

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売る品物がなくなる

「ポツン」が20%をキープし、「イッテQ」もそれに近い数字を取る中、「麒麟がくる」まで15%超を取っているのはどういうことだろう。

「コロナの影響で、在宅率が増えているからでしょう。4月第3週(13~19日)で見ると、日テレが全日(午前6時~深夜12時)9・9%、プライム(午後7時~11時)13・1%、ゴールデン(午後7時~10時)13・7%でトップなのですが、これはかなり高水準です。HUT(調査対象世帯のうち、テレビ放送を放送と同時に視聴している世帯の割合)は、全日47・3%、プライム64・1%、ゴールデン66・8%もあった。7割近い世帯が、視聴しているなんて……。これは昭和から平成にかけてのテレビ全盛期の数字ですよ」(同)

 ならば、他のテレビ局も数字が上がっているのだろうか。

「19日のTBS『バナナマンのせっかくグルメ!!』は9・5%でした。3強の下でよく頑張っていると思います。なにより、この番組は日曜昼の単発でスタートし、15年4月に深夜でレギュラー化したものの、3カ月で終了。再び単発を経て、16年10月から日曜夕方でレギュラー復活。それも19年3月で打ち切られ、今年4月に日曜ゴールデンで復活という数奇な運命を辿っています。今回の復活も特にアナウンスされなかった感じですし、『坂上&指原のつぶれない店』と週替わりで2時間スペシャルを放送していて、いまだレギュラー感はない。TBSでこれですから、フジ、テレ東は自ずと……。では、どこが数字を取っているかといえば、“OTHERS”です。HUTには、地上波以外にBS・CS放送、ケーブルテレビも含まれます。これらに全日5・1%、プライム6・8%、ゴールデン7・2%も取られているからです」(同)

 では、3強だけが安泰ということに?

「喜んでいるわけにもいきません。現場は4月に入って、収録がストップしています。いまは新作や特別編で何とかやりくりしていますが、そろそろストックが尽きる番組も出てくるでしょう」(同)

 NHKは4月1日に、大河と朝ドラの収録を12日まで見合わすことを発表したが、7日には、収録休止の延長を発表している。再開は未定だ。

 日テレも4月6日から2週間、バラエティやドラマ制作を休止と発表したが、10日に、当面の間継続することを発表した。

 テレ朝は4月3日の発表では「在宅視聴者の不安を少しでも軽減する為に良質なエンターテイメントやスポーツ番組等を出来る限りお届けしたい」として、収録の休止する番組などは個別に判断するとしていた。しかし、9日にはグループ会社社員に感染者が発覚し、11日には「報道ステーション」の富川悠太キャスターも陽性であることが判明。17日から3日間は全館を完全消毒のため、生放送以外原則入館禁止となった。

「需要はあるのに、売る品物がないという状況がもうすぐやってきます。大河もいつまでストックがあるのか。『ポツン』も番組の歴史が浅いため、ロケ素材も少ないでしょう。『イッテQ』は番組の歴史が長いため、これまでの収録素材のストックは豊富かもしれませんが、いずこもこれからが試練だと思います」(同)

 スタートを遅らせている連ドラも心配だ。日本のテレビは再放送ばかりに?

週刊新潮WEB取材班

2020年4月26日掲載

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