業界の救世主 「コロナ不倫」カップルが目指す高級ホテル「デイユース」

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長期宿泊で埋まっていましたが…

 新型コロナウイルスの蔓延で連日、飲食業やレジャー産業の苦境が伝えられている。中でもホテル業界はもっとも打撃を受けた業種のひとつ。関東圏のどのホテルも、夏の東京オリンピックまで満室状態が続くバブル状態のはずだった。

 しかし今年3月以降、入国規制によって外国人観光客はほぼゼロになり、かつて予約が至難の業だった都心部の高級ホテルは利用者激減、宿泊客のない日もあるという。

 そうした中、ホテル業界の救世主になるのではと注目されているのが「デイユース」と呼ばれる不泊・日帰りプランだ。

 ホテルジャーナリストのA氏によると、

「都心の高級ホテルで『デイユース』プランの利用率が上がっています。実は不倫カップルが利用しているんです。近年、都心部のホテルは富裕外国人客の長期宿泊で埋まっていましたが、ガラガラになって当日予約もできるため、30代から50代の不倫カップルがラブホテルがわりにシティホテルで“情事”しているということです」

「デイユース」の規定はホテルによって違うが、午後の時間帯から夕方や夜まで、4時間から6時間程度の不泊利用が宿泊代の半額ほどの料金ですむ。いわばラブホにおける「ご休憩」のシティホテル版だ。

 歓楽街の場末にあり部屋の雰囲気は安っぽく予約のできないラブホに較べれば、シティホテルの室内は高級感があり大人の情事に向いている。不倫カップルにはもってこいの愛の巣なのだ。

 都心部のホテルは銀座や六本木などオフィス街の近くにも立地し、不倫相手とチェックインする後ろめたさはない。自宅でテレワークをしていた男性が妻に「今日は出社になった」と断ってホテルに出向いても怪しまれない。不倫相手とは宿泊が難しいから、不泊でチェックアウトできるホテルはむしろ好都合だ。

「今、レストランやバーは営業自粛や時間短縮でデートに使いにくいですが、ホテルの部屋にお酒や料理を持ち込めば、遅い時間まで二人だけで飲め、そのままエッチになだれこめる利点があります。空室の多いこの時期ならホテル側も細かいことは言いません。むしろ内心で不倫カップルの利用を大歓迎しています」(A氏)

 周囲に客の多いレストランや居酒屋ではコロナウイルスが気になるというカップルも、ホテルの一室ならば二人だけなので感染が気にならない。シティホテルの「デイユース」はまさに「コロナ不倫」に向いたデートスポットなのだという。

 インターネットで「ホテル+デイユース」で検索すれば、様々なホテルプランがすぐに表示される。料金は4時間利用で1万円台からあり、ホテルの立地や部屋の大きさによって様々だ。都内のあるホテルでは、ツインルームに露天風呂のついた部屋の「デイユース」プランが3時間1万円からと格安だった。

「シティホテルを使うなら、部屋の広さが20m2以上のダブルルーム、ツインルームで、バスルームとトイレが分かれているタイプが女性に喜ばれると思います」(A氏)

 広い室内で二人だけの世界なら「三密」の危険もない。旅行や夜遊びがままならず、在宅テレワークでストレスを抱えている男女も多い。今後、高級ホテルの「デイユース」を使った昼下がりの濃厚不倫セックスが急速に増えそうだ。実はそうしたブームの到来をいちばん待ち望んでいるのが苦境のホテル業界なのだ。

週刊新潮WEB取材班

2020年4月25日掲載

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