コロナで大揺れ「テレ朝」内幕 マスクをしていなかった富川アナ、社員に感染周知せず

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典型的な罹患者

 ところで、前述した「報ステ」スタッフの感染濃厚メンバーのうち番組の総合デスクの男性は、元朝日放送アナウンサーで現在「たまむすび」(TBSラジオ)に出演している赤江珠緒アナの夫である。その赤江アナは、13日の同番組を欠席し、

〈夫の職場で陽性反応の方が出まして、週末に夫も体調を崩し、朝は微熱で夜に8度5分くらいになるみたいなのが続いて、「味も……」ということを言い出した〉

〈病院で肺のCT検査をして、軽い肺炎の症状があるということで(PCR)検査までして頂いた〉

〈4日くらいしないと結果が分からないのですが、まあ、罹っているんだろうなという感じ〉

 などと電話出演で明かしていたのだが、18日には当の赤江アナが感染したと発表された。さるTBS関係者によれば、「赤江さん自身も2日には“声の不調”でスタジオに入らず、電話出演に切り替えるなど体調が心配されていました。その後、医師の診断で細菌性気管支炎とされ、6日の放送から復帰したのですが、『たまむすび』の後の時間帯に放送される『ACTION』に出演していた宮藤官九郎さんの感染が3月31日に判明したこともあり、予防のため『たまむすび』もスタジオを移して放送するなどしてきました」

 そうした「TBSルート」が懸念されながら、赤江アナの夫には「テレ朝ルート」で深刻な症状が出てしまったわけである。果たして富川アナの感染経路は宮藤官九郎に端を発するルートか、あるいは別ルートか。今もって判然としない。

 むろん、危惧はこうした大手メディアにとどまらず、

「『報ステ』で富川アナとコンビを組む徳永有美アナも目下、自宅待機となっています。現在、うちの報道局は“総崩れ”に近い状態。彼女にも感染の可能性は十分にあります」(先の局関係者)

 というのも「報ステ」の現場では、

「オンエア前には、スタジオ横の個室で富川アナと徳永アナ、チーフプロデューサーをはじめ当番デスクや総合デスクらが集まり、打ち合わせが行われてきました。ですが、互いの距離が近い上に、富川さんを始めほとんどの人がマスクもしていませんでした」

 つまりはいつ感染してもおかしくない環境で、これでは徳永アナの夫・内村光良も気が気でなかろう。

 あらためて長野保健医療大学の北村義浩特任教授が警鐘を鳴らす。

「一時的に症状が治まったかと思えば、その後、悪化するといった状態を繰り返すのがコロナウイルスで、今回の富川さんは、典型的な罹患者といえます。本来であれば最初の発熱の時点で産業医などに相談し、自宅待機を選ぶべきでした。現在、全年代で約15%が重症化しており、40、50代でも5%ほどが該当します。富川さんの今後も、決して予断を許しませんし、番組内にはまだ無症状の感染者がいるかもしれません」

 9日に亡くなった大阪・毎日放送の取締役は、肺炎と診断されてからわずか5日後、PCR検査で陽性が判明して2日後に命を落としている。このスピードもまた、コロナの恐ろしさである。テレビ朝日に聞くと、

「(富川アナは)咳や倦怠感といった症状はなく、4月5日以降は発熱もなかったことから、新型コロナウイルスには感染していないものと考えてしまい、結果的に報告が遅れてしまいました」(広報部)

 が、先の「報ステ」関係者は、

「富川さんと濃厚接触していたスタッフたちは、感染発覚直前まで取材活動を続けていて、中には病院を取材した者もいます。“医療崩壊を招きかねない”と指摘されても仕方ありません」

 無自覚な行動を戒めるはずの番組が、メガクラスターを生んでは元も子もない。

週刊新潮 2020年4月23日号掲載

特集「『コロナ』の決死圏」より

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