【コロナ禍】芸人は仕事激減でYouTubeに熱視線 それでも転進に二の足を踏むワケ

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

Advertisement

売れっ子も自宅待機

 新型コロナの感染拡大で、ツイッターでは「#ギャグつなぎ」が話題だ。朝日新聞の4月11日夕刊に掲載された「コロナに負けるな!SNSの輪 星野源の歌が大セッションに」の記事からご紹介しよう(註:引用に際してはデイリー新潮の表記法に合わせた。以下同)。

 ***

 記事の主眼は、あくまでも星野源(39)だった。4月3日にインスタグラムの公式アカウントで楽曲「うちで踊ろう」を公開。「誰か、この動画に楽器の伴奏やコーラスやダンスを重ねてくれないかな?」と呼びかけた。

 多くの有名ミュージシャンや俳優など、人気の芸能人・著名人が動画を投稿して話題になると、安倍晋三首相(65)も12日に動画を投稿した。

 ところが、これに世論は反発。「優雅にくつろぐ安倍首相に『貴族か』ネット批判殺到」(日刊スポーツ電子版:4月12日)と炎上したことは記憶に新しい。

 面白いことに、「#ギャグつなぎ」は星野の行動より早いのだ。朝日新聞の記事を引用させていただく。

《お笑いコンビ「品川庄司」の庄司智春は3月27日、自身のツイッター上で11秒の一発ギャグの動画をアップ。投稿にはハッシュタグ「#ギャグつなぎ」「#ふざけんなコロナ」とつけ、「ギャグつながれ!」とお笑いコンビ「ペナルティ」のワッキーを指名した。

 ワッキーも同様に一発ギャグの動画をアップし、次を指名。この流れに小島よしおや椿鬼奴、俳優の菅田将暉らも参加。ギャグリレーは4月10日現在も続いている》

 新型コロナに日本人が一丸となって立ちむかう――美談であり、国民の士気を鼓舞するような記事というわけだ。

 朝日新聞の記事は一面の真実ではある。とはいえ、別の側面が存在するのも事実だという。バラエティ番組の関係者が打ち明ける。

「今、お笑い芸人は、新型コロナの影響で仕事が激減して大変なのです。その背景も複合的で、順を追って説明しましょう。1つ目は、所属事務所による自宅待機命令です。これで芸人は、自分たちで開催するライブなどが封じられます。2つ目は、世間の自粛ムードです。イベントは軒並み中止で、営業の仕事が壊滅状態です。3つ目が、テレビ番組の収録やロケの中止です。この中で悪影響が最も大きいのは、2つ目である営業先の消滅です」

 民放キー局の制作するバラエティ番組にレギュラー出演できる芸人など、ほんの一握りだ。

 そうした、ごく少数の“エリート芸人”を除けば、それなりの人気と知名度を誇る芸人であっても、仕事がないのだ。

「『#ギャグつなぎ』で豪華なリレーが実現したのは、たとえ売れっ子の芸人でも、新型コロナの影響で仕事が激減しているからです。そしてコロナ問題は、いつ収束するのか極めて不透明です。かなりのネームバリューを誇る芸人であっても、自宅で自撮りの動画でアピールするしかない。それから一歩進み、最近はテレビ局の仕事に見切りをつけ、YouTubeに本格転進するか否か、悩んでいる芸人も決して少なくないのです」(同・関係者)

 芸人のYouTube進出と聞いて、眉をひそめるお笑いファンもいるだろう。そう、決して成功例ばかりではないからだ。

「成功例なら江頭2:50さん(54)が断トツでしょう。一方で苦戦中なのが宮迫博之さん(50)で、炎上してしまったのがTKOの木下隆行さん(48)です。まだまだ『テレビ界を追われた芸人がYouTubeに主戦場を移す』というイメージが根強いですが、芸人側にYouTubeに対する憧れがあるのは事実です。テレビだとディレクターのダメ出しや、編集による一方的なカットなど、ストレスが溜まる芸人も多いですから」(同)

次ページ:一部のディレクターも困窮

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。